はじめに
4月7日、火曜日。栃木取材旅行3日目。
那須塩原の夜は、静かに、しかし確実に深まっていきます。
この日のハイライト。
それは、常盤ホテルでの夕食です。
食堂で始まる、ひとつの“イベント”
さて、お待ちかねの夕食。
会場は食堂。

このスタイルには、どこか“旅館に来たな”という実感があります。
席に着き、目の前に置かれたメニューを確認する。

その瞬間、今日の夜は「飲む夜になる」と直感します。
そして今回の夕食、ただの食事ではありません。
完全に“イベント”です。
前菜、静かに始まる一杯
まずは前菜から。
- 烏賊と菜花の松前漬け
- 桜豆腐 柚子味噌掛け
- 湯葉のべっこう餡かけ
春らしさを感じる構成。

菜花、桜豆腐といった季節の食材が、しっかりと組み込まれています。
ここでまず、日本酒を一口。
やはり、この流れは崩せません。
湯葉のやさしい甘みと餡。
松前漬けの少し強めの旨味。
それぞれが酒の入口として、非常に優秀です。
温物と造り、安定感のある中盤
続いて温物。
- 茶わん蒸し 梅風味
シンプルですが、この“梅風味”が効いています。

重くなりがちな流れを、一度リセットしてくれる存在です。

そして造り。
- プレミアムオリーブヤシオマス
- 鮪
栃木のブランド魚であるヤシオマスがここで登場。

脂の乗り方がちょうどよく、しつこさがない。
鮪と合わせることで、「安心」と「少しの特別感」を両立しています。
陶板、焼物、揚物。攻めに入る構成
ここから一気に“食事の本体”に入ります。

陶板
- とちぎ霜降高原牛 陶板焼き
これはもう説明不要。

しっかりと火を通しながら、自分のペースで食べられる。

タレにつけるが重くなりすぎない。

旅館の肉料理として、非常に優秀なポジションです。
焼物
- 鰆の春色焼き
- 桜海老・長芋
- 揚げ牛蒡 はじかみ レモン
春の魚である鰆。

ここでも季節感をしっかり押さえてくる。
牛蒡の香ばしさとレモンの酸味が、日本酒を進めてきます。
揚物
- 変わり揚げ(海老の湯葉巻き)
- 茄子のはさみ揚げ
- 天豆
- オクラ
ここは少し“居酒屋的な楽しさ”が出てくるゾーン。

特に海老の湯葉巻き。
食感と香りがよく、酒との相性が非常に良い。
このあたりで、完全にペースは「飲みモード」に入っていました。
香の物と食事、そして“あの仕掛け”
終盤に差し掛かり、
- 香の物(大根、野沢菜)
- 食事(お茶漬け 又は お蕎麦)
ここで、この宿の“仕掛け”が発動します。
お茶漬け、またはお蕎麦が食べ放題。

これは正直、かなり強い。
ご飯はご飯であるのです。

すでに料理である程度満たされているにも関わらず、「まだいけますよ」と言われるこの余白。
実際には限界があります。
ですが、この“選択できる余裕”が満足度を一段上げる。
軽くお茶漬けとお茶もいただき、しっかり締める。

完璧な流れでした。
デザート、静かな着地
- 牛乳プリン
最後はシンプルに。

濃すぎず、軽すぎず。
食後にちょうどいい余韻を残してくれる一品でした。
日本酒メニュー、軽く一杯飲むつもりが…
そして日本酒。

ラインナップは以下の通り。
栃木
- 天鷹(辛口特別純米)
- 東力士(純米洞窟熟成酒)
- 旭興(本醸造)
- 行礼姿(特別純米辛口)
- 仙禽(純米吟醸)
- 澤姫(純米吟醸)
その他
- 北雪(新潟・純米酒)
- 南部美人(岩手・特別純米)
- 酔鯨(高知・純米吟醸)
- 出羽桜(山形・本生)
地酒中心に、しっかり揃えている印象。

最初は軽く、と思っていても、料理に合わせていくと自然と進む。
結果として、しっかり楽しんでおかわりをしてしまう。

これもまた、旅館の夜の正しい過ごし方です。
ごちそうさまでした!
貸切露天風呂、夜の完成形
食後は少し休み、再び温泉へ。

この宿では、貸切露天風呂を予約可能。

しかも無料。これは大きいです。

夜ということで写真はほとんど意味をなさないのですが、実際の雰囲気は非常に良い。

静けさの中で、源泉掛け流しの湯に浸かる。

昼とは違う、“締めの温泉”という感じです。
三度目の湯と、そのまま眠りへ
部屋に戻り、少し休憩。
そして寝る前に、もう一度温泉へ。

三度目ともなると、体は完全に整っている。
短時間でも十分に満足できる状態。
布団に入り、気づけばそのまま眠っていました。
「寝よう」と思う前に眠る。これができる日は、だいたい良い日です。
これにて、常盤ホテル第二部は終了です。
次は最終章。
朝の静けさと、朝食について書いていこうと思います。