• 2025.08.13

第四話:夕陽と一献

休日の午後、塾での仕事を終える頃には、窓の外の光がずいぶん傾いていました。 昼間の鋭く突き刺すような光とは違い、夕方の太陽は輪郭を柔らかくしながら、あたりを金色に包み込みます。 机に置いたペンの影が、ゆっくりと長く伸び、部屋全体がまるで琥珀色のフィルターを通したかのように染まっていく。その変化は、時 […]

  • 2025.08.12

第三話:川沿いにて

昼の陽射しは、まるで鏡をなぞるように川面を滑っていました。 流れは一定のようでいて、近くで見ると細かなうねりを繰り返し、そのたびに光の反射が形を変えます。時おり水面をすべる風が、光の帯をやわらかく揺らしました。 川沿いの道は、夏の真昼らしい熱を帯びています。アスファルトがゆらりと揺れて見えるほどの熱 […]

  • 2025.08.11

第二話:公園のベンチにて

昼の太陽は、真上から容赦なく照りつけていました。 アスファルトの道は熱を含み、足裏からじわじわと伝わる温度が、この日が確かに盛夏のただ中であることを教えてくれます。歩道の端に植えられた街路樹は、緑の葉をいっぱいに広げながらも、その影は思ったよりも短く、逃げ場の少ない光の中を歩き続けることになりました […]

  • 2025.08.10

第一話:真昼の残響

休日の昼、外に出た瞬間、世界はまるで光の中に沈んでいるよう。 空は深く澄み渡り、どこまでも抜けるような青。そこに漂う雲は真っ白で、輪郭は鋭く、まるで紙に切り抜かれたようです。太陽は高く、何もかもを包み込むように輝き、遠くの景色さえ揺らめかせておりました。 アスファルトの上には、熱が漂い、わずかに立ち […]

  • 2025.08.09

【Roost】秦野の隠れ家で、日曜昼のスパイス定食と日本酒と

はじめに 8月3日、日曜日。 神奈川県の秦野駅から徒歩数分。周囲は住宅街の穏やかな空気が流れ、おしゃれな佇まいの一軒家カフェ「Roost(ルースト)」へ、日曜の昼下がりに伺いました。 ここは“日替わりプレート一本”のみという潔いスタイルのお店。インターネットでは公開しているようですが、お品書きは到着 […]

  • 2025.08.08

【サイゼリヤ】日曜昼下がり、冷房とスパークリングワインと

はじめに 8月3日、日曜日。 この日は昼すぎから同日に取材をしたある個人店のブログ記事の打ち合わせのため、サイゼリヤを訪れました。 その店の帰りがけに立ち寄った形です。その店についてはまた後日。 さて、一歩店内に足を踏み入れると、冷房の心地よさにホッといたします。連日の暑さで少し疲れていた身体を、キ […]

  • 2025.08.07

【夢庵】夏の午後、昼飲みの余白

はじめに 8月5日、火曜日。 本来であれば、夢庵で開催中の「瀬戸内フェア」の取材を行う予定でおりましたが、ちょうどランチメニューの提供時間と重なったため、今回は「お楽しみ膳」と「なないろ夢和膳」をいただきつつ、午後のひとときを静かに過ごしました。 ランチメニュー一覧。どれも美味しそうに見えます。 そ […]

  • 2025.08.06

「汗をかく」と「水に触れる」浄化という感覚

発汗と水中感覚、それぞれの“浄化力” 私たちは、なぜ「汗をかく」とすっきりとし、「水に入る」と安心するのでしょうか。 プールで泳ぎ、サウナで汗を流すということを続けていると、そこには単なる運動やリラックスを超えた「何か」があるように感じられてきます。 それは、身体的な変化以上に、精神的な感覚の変化。 […]

  • 2025.08.05

「汗をかききる」ことに意味はあるのか

サウナでは「汗をかききる」べきなのか サウナが好きで通っておりますと、ふとした疑問が湧いてまいります。 「サウナって、汗をたくさんかいた方が良いのだろうか?」 あるいは、「汗をかききって“出し切った”感覚が大事なのか?」という問いです。 本日は、このテーマについて、発汗の仕組みや身体の反応に触れなが […]

  • 2025.08.04

二日酔いに強い体とは

肝臓と膵臓に、日々の感謝を込めて 夜が更けるにつれて、グラスが重ねられていく。 気の置けない仲間と過ごす夜、あるいは一人静かに向き合うウイスキーの時間。 そんな夜の余韻が、翌朝まで美しく残ってくれれば、と思うのは、誰しも一度は抱く願いかもしれません。 けれど現実は、重たい頭と乾いた喉。そして「もう飲 […]

  • 2025.08.03

第四話:夜の終わりと風の静けさ

風というものは、時に語りかけ、時に見守り、そして時に、すべてを飲み込んで去っていきます。 夜が終わりに近づくころ、私はいつも以上に風の存在を意識します。日付が変わり、世間が寝静まり、部屋の灯りを落として一人でグラスを手に取る。静寂のなかで、自分の呼吸と風の音だけが混じり合うその瞬間。そこには特別な静 […]

  • 2025.08.02

第三話:夜風と感覚の話

夜も深くなってまいりました。 街のざわめきも途絶え、道路を走る車の音も、まばらに遠ざかるばかり。そんな時間帯になると、不思議と人の感覚というものは、日中とは異なる形で研ぎ澄まされてまいります。 静まりかえった部屋の中、ほんの少しだけ開けた窓から、風がふわりと流れ込んでまいりました。エアコンでは到底代 […]

  • 2025.08.01

第二話:夜風と空気 静かな熱を灯して

夜の深まりとともに、ふと窓を開けてみたくなることがあります。 部屋の中にこもった昼の熱を逃がすように、また、気持ちの整理がつかないときなど、何かを静かに流し去ってくれるのではないかというような、そんな気持ちがどこかにあるのかもしれません。 今夜もまた、静かな風が部屋を通り抜けてゆきました。薄手のカー […]

  • 2025.07.31

第一話:夜風のはじまり 窓辺にトマーティンを置いて

夜の風ほど、心をやわらかくほどいてくれるものは、そう多くはありません。それが穏やかな初夏の風であれば、なおのこと。 この文章を書いているのは、夜12時を少し過ぎた頃。窓をうっすらと開けておくと、外からふわりとした風が部屋の奥まで入り込んできます。 暑さに湿気が混じる日中とは違い、夜の風は少しだけ冷え […]

  • 2025.07.30

【万葉の湯はだの】湯あがりの余白

はじめに 7月29日、火曜日。 この日は久しぶりに、家族三人で「万葉の湯はだの」へと足を運びました。 娘が生まれてから2回目の本格的な温泉取材。滞在時間はほぼ丸一日。たっぷりと湯に浸かり、食事をし、館内で過ごしながら、静かな時間の流れを味わいました。 本日はその様子をレポートします。 10時の入館を […]

  • 2025.07.29

【夢庵】夏の昼下がりに満ちる幸福感

はじめに 2025年7月27日、日曜日。 この日は、夢庵で開催されている「瀬戸内うまいもんフェア」の取材のため、家族でランチへ。場所は市内の静かな店舗。14時半に入店し、そこから約3時間、ゆったりとした休日の午後を過ごしました。 限定メニュー一覧 私たち家族3人─妻と1歳の娘、そして私。今回は、ブロ […]

  • 2025.07.28

二日酔いとサウナ・運動の関係

「汗でアルコールは抜けるのか?」を静かに考える 「サウナに入れば酒が抜ける」「走って汗をかけば二日酔いが治る」 そうした言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるかもしれません。 実際、私自身も飲みすぎた翌日にサウナへ行くと、少し頭がすっきりしたように感じることもあり、それが「酒が抜けた」感覚として感 […]

  • 2025.07.27

二日酔いと天候・気圧の関係

「雨の日の朝」がつらく感じる理由 同じように飲んだはずなのに…「今朝は妙に重いな」と感じる日があります。 その朝、ふとカーテンを開けると、窓の外はどんよりと曇っていたり、小雨が降っていたり。湿気を含んだ空気が、身体にまとわりつくような、あの鈍い重さ。 経験的に、「天気が悪い朝は二日酔いが重く感じる」 […]

  • 2025.07.26

二日酔いとコーヒーの関係

朝の一杯がもたらす穏やかな回復 二日酔いの朝。 台所でコーヒーを淹れているときのあの香り。それだけで、すこし頭が冴えてくるような気がいたします。 体が重く、意識のどこかがまだ「前の晩」に引きずられているようなとき、コーヒーを一口。ほろ苦いその味が、舌から喉へ、そして静かに胃の奥へ落ちていく。それだけ […]

  • 2025.07.25

16時間断食と二日酔いの関係

「食べない時間」が肝臓に与える恩恵とは ここ数年、いわゆる「16時間断食」の生活を続けております。 夜遅く(多くは24時前後)に食事を終え、次に口にするのは、翌日の午後16時頃。およそ16時間以上、固形物を摂らない時間が毎日続くことになります。 この生活をはじめてからというもの、不思議なことに、以前 […]

  • 2025.07.24

旅先の朝と二日酔いの関係

動き出すことで、少しずつ整っていく 旅の朝。 窓の外に光が差し込み、目を覚ましたとき、体が重く、頭の奥に鈍い痛みが残っている。そんな経験をされた方も少なくないかもしれません。 昨夜は、ご当地の美味しい料理に合わせて、ついついお酒が進んでしまった。旅というものは、いつもの理性を少し緩めてくれるようで、 […]

  • 2025.07.23

【しゃぶ葉】3皿コースで午後のミーティング

はじめに 7月22日、火曜日。「しゃぶ葉」にて、今回もランチ訪問をしてきました。 前回はお手頃価格の「豚バラコース」で試してみましたが、今回は少し趣向を変え、さらにお手頃価格な「3皿コース」を検証。加えて、昼のハッピーアワーを利用してアルコール飲み放題をつけ、たっぷりと16時まで滞在させていただきま […]

  • 2025.07.22

二日酔いの6タイプーあなたの朝は?

はじめに お酒は楽しく、そして時に深く。 しかしその夜の喜びの代償として、翌朝に襲ってくるのが「二日酔い」。 二日酔いと一口に言っても、その症状はさまざま。今回は私が考える代表的な6タイプに分類し、それぞれに対する具体的な対処法を整理してみました。 あなたの「二日酔いの朝」はどのタイプでしょう? 【 […]

  • 2025.07.21

【ブロンコビリー】小さな誕生日ランチ

はじめに 7月20日、日曜日の午後。 家族三人で向かったのは、ブロンコビリー。 前回と同じく「炭焼きがんこハンバーグランチセット」を二つ注文しましたが、今回はちょっとした特別な理由がありました。 それをここで紹介したいと思います。 誕生日クーポンの提示でいただいたケーキ。ささやかだけど、温かなサービ […]

  • 2025.07.19

泳ぐという整いー子供の頃の記憶(番外編)

あの頃のプール、そして今 プールというものに、私はどこか“時間のにおい”を感じます。 塩素の匂い、少しざらついたコンクリートの床、滑り止めのマット。水面のきらめきと反射音、そして子どものころの遠い記憶。 小学校の授業、夏休みの市民プール、家族で出かけたレジャー施設。 プールはいつも、どこか特別な場所 […]

  • 2025.07.18

泳ぐという整いーサウナとプール、ふたつの回復法③

泳いだあとに入るサウナー整いの逆順 これまで、サウナから整いに向かうという流れについて何度かお話ししてきました。 ふと流れを変えてみたくなりました。 それはプールで泳ぎ、身体を動かしたあとに、サウナに入ってみるということ。 これが想像以上に、深く穏やかな整いへとつながることに気づきました。 火を灯す […]

  • 2025.07.17

泳ぐという整いーサウナとプール、ふたつの回復法②

サウナでは“無になる”、プールでは“自分の状態に気づく” サウナに入っているとき、私は「何も考えない」状態に向かいます。熱と静けさが、意識のノイズをゆっくりと焼き切ってくれるようで、気がつけばただ、そこに“いる”だけの自分に出会います。まさに“無”の感覚です。 一方、プールでは少し違った感覚がござい […]

  • 2025.07.16

泳ぐという整いーサウナとプール、ふたつの回復法①

泳ぐという瞑想──整うのはサウナだけじゃない 夏になりました。 この季節は静かなプールに身を沈める機会が多くなります。鼻からゆっくりと息を吐き、水の抵抗を感じながら腕を前へ伸ばしていく。そのまま平泳ぎのリズムで、水をかく、伸ばす、息を吸う。この繰り返しに集中していると、不思議と心が整ってまいります。 […]

  • 2025.07.15

【エスタミネ・コゼット】静かな夕暮れのグラスと語らい

はじめに 2025年7月13日、日曜日。 昼過ぎにお墓参りを終え、私と妻と娘、そして私の父、妻の父の5人で食事を済ませ、解散をした後のこと。 もうお腹はいっぱいだけれど、もう少しだけ、大人の時間を…そしてその様子をブログ記事へと…と思い立ち、渋沢駅近くの「エスタミネ・コゼット」へと足を運びました。 […]

  • 2025.07.14

【熱川温泉セタスロイヤル】夏の海へ…⑤

朝の海と静かな帰路、そしてこの旅の意味 旅の朝は、どこか特別です。 窓の外に広がる海 海が、いつもよりも静かに見えるのは、きっと心が少しだけ整っているから。この日の朝もまた、熱川の空気に包まれながら、ゆっくりと始まりました。 朝の湯に、もう一度 まだ薄暗いうちに目が覚め、ひとり温泉へ。 館内は静まり […]

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