【にかほ・飛良泉(ひらいずみ)本舗】鮨で祝う年末年始と秋田の銘酒

【にかほ・飛良泉(ひらいずみ)本舗】鮨で祝う年末年始と秋田の銘酒

大晦日〜1月2日、家族と過ごす日本酒時間

12月31日と1月2日。

年末年始の二日間、妻の実家・自宅で歓談しながらいただいたのは、豪華な銀八鮨の出前

そして秋田を代表する日本酒飛良泉(ひらいずみ)でした。

寿司の盛り合わせは写真のとおり。

海老、雲丹、数の子、いくら、鯛、鮪、穴子、巻物など多彩な顔ぶれ。

どれも新鮮で、脂の乗りや繊細な味わいがしっかりと感じられ、これだけでも界隈でも評判の高さがうかがえます。

大晦日にも美味しくいただきましたが、2日には 太巻き+いくら乗せというさらに豪華なバージョンも。

年始の食卓を華やかに彩ってくれました。

そして忘れてならないのが、この二日間を通じて愉しんだ日本酒の時間です。

飛良泉本舗 — 室町時代から続く、東北最古級の蔵元

今回いただいた日本酒は、秋田県にかほ市を拠点とする飛良泉本舗(ひらいずみほんぽ)の銘柄です。

この蔵は1487年(室町時代)に創業し、2026年現在でも途切れることなく酒造りを続ける東北最古・全国でも3番目に歴史ある酒蔵。

古来より日本酒は地域の農や気候とともに育ち、この秋田は山と海の恵みによって米・水・酵母が良質な環境を築きます。

飛良泉は、この地の清らかな湧水と厳しい自然条件を利用し、伝統的な山廃(やまはい)造りを基軸とした酒造りに重きを置いている蔵です。

「飛良泉」のブランド名は「飛び切り良い白い水」という意味が込められた言葉に由来し、かつて画家と禅僧の手紙に書かれた言葉がそのままブランドネームとなったとも伝わっています。

飛良泉の特徴 — 山廃仕込みの伝統と現代の感性

飛良泉の酒造りで特徴的なのは、蔵が誇る山廃仕込みの技法です。

山廃は、酵母を自然の力によって鍛え、じっくりと時間をかけて発酵を行う伝統的手法。一般的な速醸と比べると酸味・旨味が立つため、味わいに厚みと立体感が生まれるといわれています。

この古典的な技を守りながらも、飛良泉本舗は常に新しい表現にも挑んでいる蔵です。

食中酒として幅広く楽しめる山廃純米や、現代的な味わいを追求したシリーズまで、ラインナップの奥行きは深く、飲み手を飽きさせません。

欅蔵(けやきぐら)─ 飛良泉の最高峰の一つ

今回の飲み比べで特に印象的だった一本が、「飛良泉 欅蔵(けやきぐら) 純米大吟醸」です。

欅蔵は、飛良泉の中でも上質な原料米山田錦を使用し、精米歩合を35%まで磨いた純米大吟醸酒

この数字は、酒造りにおける「磨きの深さ」を示しており、一般的な吟醸酒よりもさらに雑味を削ぎ落とした非常に手の込んだ酒です。

その味わいは、華やかでありながら透明感のある香り、繊細でありながら米の甘みがふわりと広がる上品な口当たり。

やや辛口のキレ味と、すっきりとした後味が特徴とされ、食事の脂や旨味とも相性を見事に保ちます。

純米大吟醸というカテゴリーは、単純に“上級ランクの日本酒”というだけではなく、原料米や酵母の質、造りの密度感が極めて高い領域です。

その中でも欅蔵は、飛良泉本舗の歴史と技術が結実した「格別の一本」として知られています。

楪蔵(ゆずりはぐら)— 山廃純米大吟醸の味わい

今回の飲み比べには「楽器正宗愛山中取り」や「武勇にごり」などもありましたが、飛良泉のラインナップでは 「飛良泉楪蔵」 という名前も見かけました。

楪蔵は、飛良泉の山廃造りを基盤にしながら、自社培養酵母と独自素材を活かした純米大吟醸で、
香りが豊かで柔らかく上品な甘み、そして山田錦ならではの旨味が感じられるタイプです。

欅蔵ほど価格帯は高くないものの、華やかさと飲み応えのバランスがよく、食卓全体を通じて楽しめるラインとして人気があります。

室町蔵(むろまちぐら)— 伝統と繋がる名

飛良泉には「室町蔵」という別スペックの大吟醸も存在します。

その名前は創業時代(室町時代)と同じく、蔵の長い歴史を象徴するネーミングです。

室町蔵の大吟醸は、精米歩合40%前後という吟醸世界でも高度な領域まで磨き、繊細な香りとキレのある味わいを併せ持つもの。

冷やして飲むことで、すっきりとした香味の輪郭が立ち、まるで季節の空気を感じながら飲むような清涼感が楽しめます。

飛良泉と寿司の相性

今回のような 寿司中心の食卓には、飛良泉のように酸味と旨味のバランスがある酒が非常によく合います。

大吟醸や純米大吟醸の繊細さは、まぐろや鯛の繊細な味わいを引き立て、清酒としての余韻が口の中を整えます。

にごり系や山廃タイプは、数の子や雲丹の濃厚さとも負けずに渡り合うことができます。

つまり飛良泉は、握り寿司のような多様なネタとの組み合わせに、全体として寄り添うポテンシャルのある銘柄なのです。

年末年始の「日本酒時間」の豊かさ

今回の飲み会は、大晦日と正月の二日間ということで、食事だけでなく時間の積み重ねも美しいものでした。

妻の父が会計をしてくれたことにも感謝しつつ、飛良泉本舗の日本酒によって、家族の会話が豊かになり、寿司の一つひとつがさらに引き立っていきました。

伝統と現代性を併せ持つ飛良泉の酒は、ただ美味しいだけでなく、それを囲む時間そのものを優雅に価値あるものに変えてくれました。

自分用メモ(業務記録)

日時:2025年12月31日・2026年1月2日
場所:妻の自宅(実家)
食事:銀八鮨出前(大晦日・正月2日とも)

日本酒

  • 飛良泉(複数スペック)
     – 純米大吟醸 欅蔵
     – 山廃純米大吟醸 楪蔵
     – 大吟醸 室町蔵

合計:妻の父負担(感謝)

評価ポイント

  • 飛良泉本舗は1487年創業の東北最古級蔵元
  • 山廃仕込みを基盤とした厚みある酒質
  • 欅蔵は山田錦35%精米の上質純米大吟醸
  • 楪蔵は華やかで柔らかい味わい
  • 室町蔵は繊細かつキレのある大吟醸

次回検証案

  • 飛良泉の「にごり」「山廃純米」と「大吟醸」比較
  • 寿司ネタ別のペアリング(白身・赤身・濃厚系)
  • 温度帯(冷や・常温・燗)の味わい変化

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