音楽と酒シリーズ

  • 2025.10.24

【Oasis東京ドーム】ビアバーで作る「ライブの下地」

はじめに 10月25日、土曜日。Oasis東京ドームライブ。 ライブはただ音を聴きに行く行為ではない。空気、匂い、声、酒の残り香、肩を並べた隣人の息遣いまで含めて「一晩の出来事」として記憶される。 特にOasisのようなUKロックは、酒とともに体をほぐし、声を出すことによって完成するのだ。 だから私 […]

  • 2025.10.23

【Oasis東京ドーム】22曲の合唱ポイントガイド

はじめに:Oasisを「叫ばずに歌う」という贅沢 ロックのライブで声を上げるというのは、叫びではない。 それは「共に歌う」という行為—つまり、バンドのメッセージを観客の身体の中で増幅させる儀式のようなものだ。 今回のOasis東京ドームライブでは、誰もが知っているあのフレーズたちが、きっと空気を震わ […]

  • 2025.10.22

【Oasis東京ドーム】“予想セットリスト”

前提メモ(予想と期待) まず最初に断っておくと、これはあくまでも予想であり私にとっての期待です。 過去のツアーでの定石(序盤は勢いあるナンバー、中盤にゆったりのバラード、終盤でアンセムを連投、アンコールで大ヒットを温存)や、Oasisの典型的なライブ設計、東京ドームという“大箱”の性質、そしてファン […]

  • 2025.10.21

【Oasis東京ドーム】ライブまでにやっておきたいこと

はじめに Oasisのライブは“音”だけで終わらない。会場に着く前から、私の夜は始まっている。 チケットの扱い、移動ルート、喉のケア、服装、前夜の過ごし方、プリドリンク(下地)から当日のマナー、終演後の動線まで―ちょっとした準備で体験は段違いに良くなるはずだ。 ここでは「SS席で東京ドームに行く」と […]

  • 2025.10.20

【三河屋】加賀鳶と【TOHOCINEMAS】鬼滅の刃

海老名・三河屋の角打ちで加賀鳶(夏純米生) — 映画のための“下地”をつくる夜 10月14日、火曜日。昼どきの海老名。 映画を見るために来たのだが、その前に下地を作りたい。 雑多でありながらしっくりと落ち着くビル中の一角に、三河屋の角打ちがある。 店の奥へと進んでいくと、そこのカウンターに常連の笑い […]

  • 2025.10.19

映画館に入る前の立ち飲み—一杯で作る「鑑賞の下地」

0)はじめに 映画は入場の一点から始まるわけではない。 切符をもぎられる瞬間よりも前に、心は準備を始めている。街の角の立ち飲み屋、劇場近くのビアスタンド、あるいは小さなワインバーでの短い一杯。それらは単にアルコールを摂る行為ではなく、「これから何を観るか」を自分で宣言する儀式。 ここでは、映画館に入 […]

  • 2025.10.18

映画館で飲む — 公共の暗闇で酒がつむぐ「没入」のルールと愉しみ方

はじめに 映画館は、暗闇の中で物語と音楽に身を委ねる「共同体の箱」だ。座席は他人と隣り合い、音は劇場全体を震わせ、スクリーンは思考の入口になる。 だからこそ、映画館で酒を愉しむという行為には慎重さと工夫が要る。場を乱さずに、自分の感覚を豊かにする。 そのための作法、具体的な飲み物選び、タイミング、音 […]

  • 2025.10.17

映画鑑賞と酒 — 音楽が導き、酒が深める「没入」の作法

0)はじめに 映画をどれだけ深く味わえるか。それはスクリーンの前に座っているだけで決まるものではない。 音響や音楽の質が感情の扉を開き、手にしたグラスの中身が感覚のスイッチを入れる。 私はいつも、良い音楽と良い酒が揃ったとき、映像が「観る」から「体験する」へと変わる瞬間を味わってきた。 今回はその「 […]

  • 2025.10.11

音楽と酒の相性見立て ― 秦野たばこ祭りのフィナーレ、花火の夜に

はじめに 9月28日、日曜日。秦野たばこ祭り。 秋の夜風が、少しだけ冷たくなりはじめたころ。秦野の空に大輪の花火が咲く。 その音は、遠くの山々に反響し、まるで大地が応えるように低く響く。 人々はその音を胸に感じながら、手にしたグラスをそっと傾ける。 この夜、選びたいのは「ただの酒」ではない。音と光が […]

  • 2025.10.10

音楽と酒の相性見立て ― 秦野たばこ祭りを歩きながら選ぶ三杯

はじめに 9月28日、日曜日。 秋の風がふわりと町を撫でる頃、秦野たばこ祭りはいつもどこか懐かしく、そして豪快だ。 屋台の湯気、子どもの笑い声、夜になれば灯る提灯の柔らかな明かり。 祭りには音がある。それがたばこ祭りのステージだ。 太鼓の低い振動、ステージのマイク越しの声、拍手や手拍子のざわめき。 […]

  • 2025.09.17

Oasis『Whatever』 × テキーラショット— ロベルトとアレクシー、そして深夜のロンドンを駆け抜けた夜

はじめに Oasis の曲群を辿るこの連載を締めくくる一曲に、なぜか『Whatever』がしっくりくる。 鋭く刺すようなフレーズと、どこか達観した自由の宣言が混ざり合うこの曲は、私のロンドン滞在の記憶の中で“勇み足”と“解放感”を同時に呼び起こす。 今回は、前回記事で登場したInternationa […]

  • 2025.09.16

Oasis『Supersonic』 × ビール & ジントニック— International Student Houseの夜と、歌と酒がつむぐ成長の記憶

1)ロンドンでの青春と、十人部屋の寮生活 ロンドンに住んでいた頃、私はInternational Student Houseという留学生向けの寮に暮らしていた。 しかも十人部屋という大部屋。 二段ベッドがずらりと並び、朝はあちこちからアラームが鳴り響き、夜は各国の言語が交錯する。日本語を話す時間はほ […]

  • 2025.09.15

Oasis『Cigarettes & Alcohol』 × ジントニック — 下町のパブからクラブの夜へ

最初に ロンドンの夜は、香りと声でできている。 湿った石畳、パブの木のカウンターにこびりついた歴史、夜ごと繰り返される合図のような注文の声。そして、フロアから漏れる低いベースのうねり。 私にとって『Cigarettes & Alcohol』は、そうした夜の匂いをそのまま切り取った一曲だ。曲が […]

  • 2025.09.13

Oasis『Champagne Supernova』とシャンパン ― エペルネとランスでの記憶

シャンパーニュ地方を歩く フランス北東部、パリから列車に揺られておよそ1時間半。 ブドウ畑の波が地平線まで広がるその土地に、シャンパンの聖地、エペルネとランスがある。 どちらも三度ずつ訪ねたことがあるが、印象はそれぞれに異なる。 ランスは大聖堂の街。歴代のフランス国王が戴冠したゴシックの大聖堂、荘厳 […]