【焼津マリンパレス】夜の湯と窓際の余白、朝の魚と帰路まで③

【焼津マリンパレス】夜の湯と窓際の余白、朝の魚と帰路まで③

はじめに

焼津での一泊が終盤へ向かう時間帯。

夕食を終え、静かに夜が深まっていく館内で、私たちは再び温泉へ向かいました。以降は、その後の動き—夜の入浴の回数、部屋での乾杯、窓際のくつろぎの場所のこと、そして朝の和朝食と最後の入浴、チェックアウトまでを順に、できるだけ丁寧に記してまいります。

夕食後の再入浴 — 湯と時間を重ねる贅沢

夕餉を終え、食堂の余韻を胸に部屋へ戻った後、まず向かったのは再び大浴場です。

やいづマリンパレスでは、大浴場が24時間利用可能という案内が公式にあり(運用形態や清掃時間は時期によって異なる場合があるため、当日の案内板を都度ご確認ください)、この“好きな時間に湯に入れる”利便性が滞在をより自由なものにしてくれます。

この夜は、合計で3回の入浴を行いました。スケジュールはおおむね次の通りです。

1回目(夕食直後のひと風呂)—夕食で満ちた胃を軽く休めるための短めの入浴。食べ過ぎを避けるために短時間で湯を切り上げ、ゆっくりと体を落ち着かせました。
2回目(夜のメイン)—深めに湯を楽しむ長めの入浴。湯船の湯温は私たちにとって「ちょうどよい」設定で、塩化物泉らしいじんわりとした温まりが体に残りました。脱衣所や浴場の照明は抑えめで、ほっと息をつける落ち着いた雰囲気です。
3回目(深夜の締め)—最後は深夜2時頃の入浴。静寂のなか、湯に浸かりながら街灯のわずかな光や、遠くから聞こえる波の音に耳を澄ますと、日常から遠く離れた特別な時間が流れていきます。

深夜の最終入浴(今回は2時)を楽しめるのは、やはり24時間入浴が可能だからこその贅沢です。夜間はほかの宿泊客も少なく、浴場をほぼ貸し切りのように使えた時間帯もあり、静かな入浴を満喫できました。

個人的には、夕食後に一度、就寝前にもう一度、そして深夜の一回—という入浴の回し方が、最も疲れが抜けていく感覚を得られました。

(注)公式ページの案内は24時間入浴可能と記載されていますが、点検や清掃時間等により一時的に入浴が制限される場合がありますので、当日のフロント掲示をご確認ください。

部屋での一杯 —買い置きのビールと日本酒を少しずつ

浴場で心身がほどけた後、部屋に戻ってからは冷蔵庫に冷やしておいたビールと日本酒、そしてアテを少しずつ楽しみました。湯上がりに飲む冷たい一口は格別で、ビールの泡の細かさや日本酒の米の香りを交互に楽しみながら、旅の断片をゆっくりと語り合いました。

部屋飲みは静かで気楽なものです。大きな声を張ることなく窓の外の暗闇を眺めながら、「今日食べた刺身の鮮度はどうだったか」「明日は港の朝市に立ち寄れるか」など、旅の余白をゆっくりと味わいました。

缶ビール一口、日本酒をちびり、そして生シラスやカツオのタタキ—そんな「少しずつ」を繰り返す時間は、外食や居酒屋の慌ただしさとは違う、宿泊ならではの穏やかな楽しみです。

窓際のくつろぎ空間(ロビーの窓辺)での余白

今回、夕食後の“ひと休み”に頻繁に利用したのが、ロビーの窓際(ロビーラウンジ風のくつろぎスペース)でした。

公式案内や宿泊サイトの写真でも「ロビーの大きな窓から外の景色が楽しめる」との記載があり、実際に窓際にはソファや椅子が配され、海を望む方向へゆったりと座れるつくりになっておりました。窓から差し込む夜風と街灯の反射を眺めながら、軽い会話を交わすにはちょうどよい場所です。

この「窓際スペース」は、客室の窓辺とはまた違った公共の余白で、部屋の閉鎖性から一歩出て、ほかの宿泊客の気配を感じつつも静かに過ごせる場所でした。夕食直後にさっと外気に当たりたいとき、夜の雰囲気を別の角度から感じたいとき、あるいは朝の光を浴びながらコーヒーを一杯—といった使い方に適しており、個人的には滞在の中で最も多用したパブリックスペースのひとつになりました。

就寝、そして朝 — 和定食の朝ごはん(焼き魚はホッケ中心)

深夜の入浴を堪能してから就寝し、翌朝はゆっくり目に起床しました。

やいづマリンパレスの朝食は和定食での提供が基本となっており、素朴で落ち着いた朝の食卓が用意されます。宿の案内や宿泊者レビューを確認すると、朝食の干物が「アジ」や「サバ」など焼き魚中心で提供されることが多い旨が複数の宿泊者レビューで挙がっており、今回はアジの開きが中心に据えられた、まさに焼津らしい“海の朝ごはん”をいただきました。

朝食の印象は「ちょうど良い塩梅」。

アジは程よい塩気と香ばしい焼き面が立っていて、ご飯との相性は抜群です。味噌汁は出汁がきいていて、海の旨みがほんのりと残る仕上がり。小鉢に添えられた和え物や漬物も、全体のバランスを整える役割を果たしていました。ボリュームは朝にちょうどよく、子どもにも食べやすい品が多かったため、祖父母や小さなお子様連れの方にも向く内容だと感じました。

(朝食の提供時間帯は宿の案内によれば7:30〜8:30など一定の枠があるため、利用プランに応じて開始時間を確認しておくとよいでしょう。)

最後のひと風呂とチェックアウト — 余韻を手放す前に

朝食後、チェックアウト前にもう一度大浴場へ向かいました。

私たちは朝食の余韻を感じつつ、出発前に軽く体を清めるために短時間入浴。朝の時間帯に湯に浸かると、昨夜の深夜入浴とはまた違う、透明感のある清々しさがあり、これが旅の締めくくりにふさわしい一浴であると感じました。

チェックアウトは公式に10:00が基本時間となっており(プランによって異なる場合があるため予約時に確認が必要です)、私たちは余裕をもって部屋を整え、荷物をまとめてフロントに向かいました。フロントの方は手際よく精算・領収の対応をしてくださり、最後まで気持ちよく宿を後にすることができました。

総括 — 夜の余白を深め、朝の魚で締める旅

やいづマリンパレスでの一泊は、夕食〜深夜の入浴〜部屋での静かな一杯〜朝の和定食〜最終入浴〜チェックアウトという流れが、期待通り気持ちよく続いていきました。

ポイントをあらためて挙げると下記の通りです。

  • 夜の深夜入浴(今回最終は2:00)は、24時間入浴可能な運用によって実現できる贅沢な時間であり、静かな夜にひとり湯を楽しめる点が大きな魅力でした。
  • ロビーの窓際スペースは、部屋と浴場の中間に位置する公共の余白として非常に居心地が良く、部屋飲みや会話の場として重宝しました。
  • 朝食(和定食)は焼き魚(アジなど)を中心としたシンプルで満足感のある内容で、旅の終わりにふさわしい安定感がありました。宿泊者の声にも同傾向の記載が見られます。
  • チェックアウト(10:00)は詰め込み過ぎない余裕のある設定で、最後にもう一度湯に浸かる時間を持てる点がよかったです。

この宿は、駅からのアクセスがよく、地元・焼津の食材を落ち着いた形で提供する点、そして24時間に近い柔軟な入浴運用が組み合わさって、短い滞在ながらも「湯に浸かる」「海の幸を味わう」「窓辺で余白を持つ」という旅の基本要素がしっかり満たされる宿でした。家族連れでも、ひとりの湯旅でも、それぞれの過ごし方に寄り添う懐の深さがあると感じました。

自分用メモ(業務記録)

日時:2025年9月19日〜20日
場所:焼津マリンパレス
参加者:代表取締役(私)、妻、娘(1歳)

注文・利用(税込)
焼津づくしプラン … 10,150円 × 2名
入湯税 … 150円 × 2名
冷酒(初亀) … 1,500円
補助券利用 … ▲2,000円 × 2名(計▲4,000円)
合計支払額 … 18,100円

取材目的
焼津の海鮮を中心とした夕食「焼津づくしプラン」の実食・記録。
温泉施設の利用回数(滞在中計6回入浴)の記録。
館内の滞在動線(食事処・客室・大浴場の位置関係)の確認。
記事用の館内外写真撮影(外観、客室、料理、温泉)。

所感・次回課題
・料理は品数・質ともに十分。特に刺身の鮮度は評価できる。
・「初亀」は料理との相性が良く、地酒紹介記事の切り口として使える。
・子連れでも安心できるスタッフ対応。記事中で「家族利用にも適する宿」と表現可能。
・次回は娘の年齢が上がってからの再訪を検討。温泉同伴の記録を加えると記事の厚みが出る。
・補助券や割引制度の利用法を整理し、記事で読者が参考にできる形に落とし込む。

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