【ぷかぷか島】開店のシャッター音と、クラシックカクテルで整う夜

【ぷかぷか島】開店のシャッター音と、クラシックカクテルで整う夜

渋沢「ぷかぷか島」再訪

8月13日、水曜日。

渋沢駅からいつもの道を抜け、19時ちょうどに店先を通りかかると、ちょうどマスターがシャッターを上げていらっしゃいました。

開店直後の澄んだ空気。ほかにお客さまの姿もなく、非常に良いタイミングだと判断し、3人でそのまま入店いたしました。

このお店には数え切れないほど通っておりましたが、娘の誕生以降は、なかなか夜に伺う機会が作れずにいました。だからこそ、シャッターの音に背中を押されるようにしてドアを開けた瞬間、少しだけ胸が熱くなるような、懐かしい高揚が戻ってまいりました。

昔にはなかったオブジェ

1杯目:マティーニとジンフィズ(ビーフィーター)

私の1杯目は、まっすぐにマティーニ

グラスから立ちのぼる冷気と、澄んだ香り。透明感のあるアルコールの骨格に、柑橘とジュニパーのニュアンスがきりっと重なります。余韻にわずかな塩味を感じるのは、氷とステアの精度が高いゆえでしょう。必要以上の装飾を施さない、端正な仕立て。背筋が正されます。

妻はジンフィズを選択。

マティーニもそうですが、ジンは相変わらずビーフィーター。レモンの酸がしゃんと立ち、炭酸の泡が細かく、ジンの骨格がくっきりと伝わる一杯でした。甘さは最低限に抑えられ、のどを通るたびに“つぎのひと口”を呼ぶ設計。開店直後の静けさに、とてもよく似合います。

昔から変わらず、ビーフィーターのマティーニ

最後にレモンピール

完成!マスターのマティーニ!

妻はいつもジンフィズスタート

2杯目:ロブ・ロイとマンハッタン(J.W.ブラック/カナディアンクラブ)

2杯目は、私がロブ・ロイ

ウイスキーはジョニーウォーカー・ブラック。モルトの香ばしさとバニラの陰影が、スイートベルモットの甘苦と手を取り合い、アロマが層をなして立ち上がります。ひと口目の印象は力強いのに、余韻は静か。燻香が細く長く伸び、グラスを置くしぐさまで落ち着かせてくれるような佇まいでした。

妻はマンハッタンカナディアンクラブで。穀物由来の穏やかな甘みが前に出て、口当たりはしなやか。ロブ・ロイよりトーンが半歩やわらかく、会話のテンポに寄り添うタイプのクラシック。チェリーの甘い香りがふっと通り過ぎ、余韻でほのかなビターが輪郭を締めます。

2杯目はマンハッタンとロブロイ

空間と時間、戻って来られたという実感

カウンター越しのマスターは、変わらぬ朗らかさでお元気そう。

磨かれたカウンター、冷えたミキシンググラス、控えめな音量のBGM。すべてが「いつもの調子」に整っていて、長く通ってきた身には、それだけで充分なごちそうです。最後に、娘をそっと抱いていただき、微笑まれた瞬間、ここが“夜の延長線上にある居場所”として、私たち家族にとって変わらず大切であることを、静かに確認できました。

変わらぬ窓の景色

テイスティング所感(要点)

  • マティーニ(私):クリアな冷度と均整のとれたストラクチャー。香りの立ち上がりは鋭いが、口中で角が取れていく。食前・食中の起点に最適。
  • ジンフィズ(妻):ビーフィーターの骨格が生きるドライ寄りの設計。柑橘の酸と炭酸の細かさが見事に調和し、疲れを払いながら喉を潤す。
  • ロブ・ロイ(私/J.W.ブラック):スモーキーな要素とベルモットの甘苦が精妙。フィニッシュにスパイスがさりげなく現れ、ゆっくり長く楽しめる。
  • マンハッタン(妻/カナディアンクラブ):穏やかでエレガント。甘みの出方が上品で、会話と併走するスピード感。

いずれも“やり過ぎない”設計が共通しており、グラスを重ねるほどに体の内側が落ち着いていく印象でした。

まとめ

開店のシャッター音に導かれ、久しぶりのカウンターで、クラシックカクテルを静かに2杯ずつ。

「来られてよかった」―それが今夜のすべてです。娘を抱いていただいたひと幕も含め、時間の連続性がやさしくつながっていくのを感じられました。次回はまた、いつものジントニックやフルーツを使った一杯などもお願いしてみたいと思います。

マスター、ありがとうございました!またよろしくお願いします!

自分用メモ(業務記録)

日時: 2025年8月13日(水)19:00から19:50
場所: ぷかぷか島(渋沢)カウンター利用
参加者: 代表取締役(私)、取締役(妻)、娘(1歳)
目的: マスターにご挨拶・クラシックカクテルの味わい・提供温度・グラスワークの確認/家族同伴時の受け入れ体制の確認
注文:

  • 私:マティーニ → ロブ・ロイ(J.W.ブラック)
  • 妻:ジンフィズ(ビーフィーター) → マンハッタン(カナディアンクラブ)

    所感メモ:
  • 開店直後は静かで、撮影・記録に適する。
  • ステア系の冷度が安定。希釈バランス良好。
  • 家族同伴に温かく対応いただけた(最後に娘を抱っこ)。

    次回課題:
  • 旬フルーツ系のカクテルの傾向把握。
  • 早い時間帯の客層・音量・照度の定点観測。
  • 価格帯と滞在時間の最適化(2杯+軽いアテの組み合わせを検証)。

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