二日酔いからの脱却シリーズ【第5回】

二日酔いからの脱却シリーズ【第5回】

「眠気とだるさ」に打ち勝つツボと工夫

二日酔いのとき、頭痛や吐き気よりもむしろ「眠気」と「だるさ」がつらい。そんな経験をお持ちの方は少なくないでしょう。身体の芯に重石を入れられたように動きが鈍くなり、気力が湧かない。休みの日ならまだしも、仕事や予定がある日にはなかなか厄介です。

今回は、この 眠気とだるさ に焦点を当て、ツボ刺激と生活上の工夫を通じて、回復を試みていきます。

眠気とだるさの正体

アルコールを多く摂った翌日、身体が鉛のように重くなるのには理由があります。

  1. アセトアルデヒドの残存
    分解しきれなかった毒性物質が体内を巡り、自律神経を乱します。
  2. 深部体温リズムの乱れ
    夜遅くまで飲んで寝るため、体温やホルモンのリズムが崩れ、睡眠の質が低下。たっぷり眠ったはずでも熟睡できていないのです。
  3. 脱水とミネラル不足
    体液バランスが乱れると、筋肉や神経の働きが鈍くなり、だるさへ直結します。

つまり、「眠い」「だるい」と感じるのは、単なる疲労ではなく 全身の調律が乱れているサイン なのです。

眠気とだるさに効くツボ

ここで役立つのが、東洋医学的なアプローチ。眠気とだるさの緩和に有効とされるツボを2つ紹介します。

① 百会(ひゃくえ)

  • 場所:頭頂部、両耳を結んだ線と眉間から頭頂へ上がった線の交点
  • 効果:自律神経を整え、脳の巡りを良くする。頭の重さを軽減し、眠気を抑える。
  • 押し方:両手の中指で軽く頭頂部を押さえ、5秒押して5秒休むを5回ほど。深呼吸を合わせると効果が高まる。

② 労宮(ろうきゅう)

  • 場所:手のひらの中央、握ったときに中指と薬指の先が当たる位置
  • 効果:全身のエネルギー循環を促す。「だるさ」を払い、気力を回復させる。
  • 押し方:反対の親指で手のひらの中心を強めに押す。左右交互に1分ずつ行う。

両方を組み合わせることで、頭のぼんやりと身体の重だるさを同時にケアできます。

生活面での回復サポート

ツボ刺激とあわせて、次の工夫も有効です。

  1. ぬるめのシャワーを浴びる
    熱すぎない38〜40℃で軽く汗をかく程度に。交感神経が整い、眠気がリセットされます。
  2. 水分とミネラルの補給
    味噌汁や経口補水液で塩分も一緒に補うこと。カフェイン飲料は控えめに。
  3. 軽いストレッチや散歩
    血流を促すだけでも「だるさ」の解消に直結します。筋肉を大きく伸ばす動きを意識すると効果的。

まとめ

二日酔いにおける「眠気とだるさ」は、肝臓の働きや体内リズムの乱れから生じる、全身的な不調です。

  • 頭頂の 百会 で脳をシャキッと
  • 手のひらの 労宮 で身体に活力を
  • 生活面では「ぬるシャワー・味噌汁・ストレッチ」で整える

これらを組み合わせれば、眠気に沈む身体を徐々に回復させることができます。

「昨日の酒がまだ身体を支配している」

そんな感覚の朝も、ツボと工夫で切り替えていける。二日酔いとの付き合い方を一歩ずつ磨いていきたいものです。

〜二日酔いからの脱却シリーズ〜完

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