昼の太陽は、真上から容赦なく照りつけていました。
アスファルトの道は熱を含み、足裏からじわじわと伝わる温度が、この日が確かに盛夏のただ中であることを教えてくれます。歩道の端に植えられた街路樹は、緑の葉をいっぱいに広げながらも、その影は思ったよりも短く、逃げ場の少ない光の中を歩き続けることになりました。
額には薄く汗が浮かび、腕にまとわりつくような空気の重さが、動きをわずかに鈍らせます。
それでも、休日の昼に外を歩くという行為には、どこか解放感のようなものがありました。時計の針がまだ午後の入口を示していることが、この時間がまだたっぷりと残されていることを感じさせます。
ふと足を止めたのは、小さな公園でした。入口近くの花壇には、赤や黄の花が揺れ、奥にはゆるやかなカーブを描く小道と、その先に古びた木製のベンチ。日陰と日向の境界線が座面を斜めに横切り、半分は温もりを、もう半分は涼しさをまとっています。
そのベンチに腰を下ろす前に、隣接するコンビニへ足を運びました。自動ドアが開く瞬間、店内の冷気が顔を撫で、外気との温度差に少しだけ目を細めます。冷蔵ケースの奥、氷のように冷えた棚の一角に、金色に輝くハイボール缶が整列していました。缶の側面は、わずかな結露でしっとりと濡れていて、指先が触れた瞬間、その冷たさが一気に腕まで駆け上がります。
会計を済ませ、再び公園へ。ベンチに腰を下ろし、缶を膝の上に置くと、背景には子どもたちの笑い声と、自転車のチェーンが回る音が混じって聞こえます。
プルタブに指をかけ、一気に引き上げると、「シュッ」と短く爽やかな音が響き、炭酸とウイスキーの香りがふわりと立ち上がりました。
一口目は、ためらいなく。琥珀色の液体が、冷たさとともに喉を駆け下り、その瞬間、夏の重たい空気がすっと軽くなったように感じます。炭酸の細やかな刺激とウイスキーの香ばしさが、口の中で軽やかに跳ねるたび、
頬の内側がほのかに熱を帯び、目の前の景色が一層鮮やかになっていきました。
太陽は相変わらず真上から降り注ぎ、木漏れ日の輪郭が地面の上でくっきりと揺れています。
その光景を眺めながら、缶をもう一度傾けました。昼間に飲むハイボールは、夜の一杯とはまるで違います。太陽の光と炭酸の泡が混ざり合い、それぞれの輝きが互いを引き立てながら、休日の午後をきらきらと彩ってくれるのです。