【本厚木・肉寿司】今は無き一番街の名店 ー せんべろセットを振り返る(閉店)

はじめに

本厚木という街には、飲み歩きをする者にとって、いくつかの“拠点”のような店が存在していました。

その中でも、私にとって特別な位置にあったのが、一番街に店を構えていた「肉寿司」です。

すでに閉店してしまった今となっては、あのカウンターの空気感も、気軽に一杯やれるあの時間も、すべてが思い出の中にしかありません。

今回は、その中でも特に印象に残っている「せんべろセット」について、記録として残しておきたいと思います。

写真のメニューが物語る、圧倒的コストパフォーマンス

まずは、当時のメニュー写真をご覧いただきたいところです。

このメニューが、すべてを物語っています。

カウンター席限定の「せんべろセット」。

税込1100円という価格設定でありながら、内容は決して“軽いもの”ではありません。

むしろ、しっかりと飲めて、しっかりとつまめる。

そして、きちんと満足できる。

この価格帯でここまで成立させていた店は、そう多くはありませんでした。

私の定番:ユッケと馬わさ

このセットの中で、私がほぼ毎回選んでいたのが、

・ユッケ
・馬わさ

この2品です。

まずユッケ。

これはもう、説明不要と言ってもいいほど、完成度の高い一皿でした。

しっかりとした旨味がありながらも、くどさはなく、酒の進みを邪魔しない絶妙なバランス。

そして、途中で醤油を少しだけ垂らす。

この“味変”がまた良い。

最初はそのまま、後半は少し輪郭を強める。

一皿の中で、飲みのリズムを自然に作ってくれる存在でした。

続いて馬わさ。

こちらもまた、非常に優秀なつまみです。

さっぱりとした赤身に、わさびの刺激が心地よく、酒を呼び込む。

そしてこちらも同様に、途中で醤油を加えることで、味に奥行きが出る。

この「途中で変化をつける楽しさ」が、この店の良さの一つでもありました。

ドリンクの主役は“大ジョッキ”のハイボール

せんべろセットのもう一つの魅力が、ドリンクです。

まず最初はハイボール。

写真の通り、大ジョッキで提供されます。

これが実に良い。

量が多いというだけでなく、しっかりと炭酸が効いており、飲みごたえがある。

仕事終わりの一杯としても、これ以上ないスタートを切ることができます。

そして次にレモンサワー。

こちらは一転して、柔らかい飲み口。
程よい甘さがあり、飲み疲れを感じさせない設計。

ハイボールで勢いをつけ、レモンサワーで整える。

この流れが、個人的には非常に完成度が高かったと感じています。

カウンターという空間の価値

このセットは、カウンター席限定でした。

つまり、「さっと入って、さっと飲む」という使い方が前提となっています。

しかし実際には、その短い時間の中に、しっかりとした満足感がありました。

隣との距離感、店員さんとのやり取り、そして料理と酒。

それらがコンパクトにまとまり、非常に密度の高い時間を作り出していたのです。

なぜ、これほど通ってしまったのか

本厚木に行くと、ほぼ必ず立ち寄っていました。

理由はシンプルです。

・価格が明確で安心
・味が安定している
・短時間で満足できる

この3点が揃っていたからです。

「今日は軽く一杯だけ」

そんな時に、これほど頼れる存在はありませんでした。

失われたものと、残る記憶

この店が無くなってしまったことは、本当に惜しい。

ただ、あの時間は確かに存在していました。

そして、その記憶は今でも鮮明に残っています。

安くて良い店、という言葉だけでは片付けられない価値が、そこにはありました。

まとめ

本厚木・一番街の肉寿司。

そのカウンターで提供されていた、せんべろセット。

1100円という価格の中に詰まっていたのは、単なるコストパフォーマンスではなく、「飲みの完成形の一つ」だったのかもしれません。

今はもう訪れることはできませんが、こうして記録として残しておくことで、あの時間を少しだけでも再現できればと思います。

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