【渋沢・駅前商店街】えびす講まつり — 晩秋の風に揺れる三線の音色と、秦野の地ビールに酔う午後

【渋沢・駅前商店街】えびす講まつり — 晩秋の風に揺れる三線の音色と、秦野の地ビールに酔う午後

はじめに

11月23日、日曜日。

渋沢駅前にも、ようやく冬の気配が漂い始めました。

空気が乾き、陽だまりのあたたかさが、歩くたびにありがたく感じられる。そんな季節の入り口に、渋沢駅前商店街では毎年恒例の「えびす講まつり」が開催されました。

今年も、駅前の道路は歩行者天国となり、子ども向けのゲームコーナーや福みかんの配布、ワゴンセール、キッズダンス、よさこい、そしてふれあい動物園まで登場するという盛りだくさんの内容。チラシを眺めるだけでも、じわりと胸が高鳴ります。

写真にもある通り、今年の“えびす講”は、家族連れから若いカップル、ご年配の方々まで、幅広い世代が肩を並べる和やかな雰囲気に包まれていました。

かみむら酒店へ— ビール片手に三線の響きに耳を澄ます

渋沢駅南口から歩いてすぐ。

いつもお世話になっている「かみむら酒店」の店横には、小さなステージと椅子が並べられ、ちょうどライブの準備が進んでいました。

その日は運良く、沖縄三線のライブ。

最初の一音が鳴った瞬間、その柔らかさに胸の奥が震える。三線の音というのは、不思議と遠い海の記憶を引っ張り出してくれる。潮騒と南風、白い浜辺。渋沢の駅前にいながら、時間が沖縄へと滑っていくようでした。

演奏された曲の中でも、とりわけ心に残ったのが「三線の花」と「島んちゅぬ宝」。

沖縄の人々の日常と願いを歌った名曲だが、秋の秦野で聴くそれは、またひと味違う深さが。目を閉じれば、やさしい音の粒が空気の冷たさに溶け込み、街のざわめきと混ざり合う。

手には、かみむら酒店名物の生ビール。

外で飲む一杯は、どうしてこうも格別なのだろう。商店街の軒先に揺れる旗、通り抜ける子どもたちの笑い声。ひとつひとつが、ビールの苦味を柔らかく包み込んでくれました。

ライブを聴きながら、ただ静かにビールを味わう時間—これだけで、来てよかったと思えるほどの豊かなひとときでした。

カルバへ— はだの紅茶を、クラフトビールという形で味わう幸せ

三線の余韻を残したまま、商店街をぶらぶらと。

露店で焼かれる香ばしい匂い、元気に踊るキッズダンス、みかんを手にした子どもたち… えびす講まつりは街をゆっくりと浮き上がらせていきます。

次に向かったのは、同じく渋沢駅前で人気のワインバー「カルバ」。

ここでは「秦野名産 はだの紅茶(はのちゃ)」を使用した、和紅茶ペールエールが特別に“生”で提供されていました。

普段は缶での販売のみとのことで、これは逃せない。

グラスに注がれた液色は、透明感のある琥珀色。

口に含んだ瞬間、「紅茶だ…」と驚くほど、香りがふわりと広がる。

だが、単なるフレーバービールではなく、ペールエールらしい苦味とコクがきちんと主張してくる。香りと飲みごたえのバランスが絶妙で、飲み進めるほどに深みが増していく。

「これ、ほんとうに美味いなあ…」

丁寧に作られたビールを、街のお祭りでいただくという贅沢。

渋沢という土地が、ゆっくりと育んできた文化をグラス越しに味わわせてもらっている気がしました。

えびす講まつりという、地域の呼吸

商店街という場所は、普段は静かで穏やかだ。

けれど、年に数度のイベントになると驚くほどの賑わいを見せ、街に新しい空気が流れ込む。

歩行者天国となった道路には、普段見かけないワゴン、仮設ステージ、ふれあい動物園の動物たち。

そこに子どもたちの歓声が重なり、行き交う人々が挨拶を交わす。

「お祭り」というものの本質は、もしかしたらこの“人と街が近づく感じ”なのかもしれない。

今回もまた、渋沢という町が少し、好きになりました。

まとめ

・かみむら酒店で生ビール+沖縄三線ライブ「三線の花」と「島んちゅぬ宝」
・カルバで特別提供の「はのちゃ 和紅茶ペールエール(生)」
・えびす講まつりの温かい空気に包まれながら、晩秋の午後をゆっくり楽しむ

音楽と酒と、商店街のまつり。

この3つが揃うと、人の心はこんなにも満ちるのだと改めて感じた一日でした。

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