はじめに
2019年2月18日。
目白の繁華街からタクシー圏内にある老舗ホテルのバー。その名は メインバー・ルマーキー(Main Bar Le Marquis)。

ホテル椿山荘の格式ある空間で、ワインとシャンパンを心ゆくまで楽しむことができます。

特に私にとって忘れられない体験は、ある日の シャンパン フリーフロー(飲み放題)イベント。

これは通常のメニューとは別に企画されたもので、赤ワイン、白ワインはもちろんのこと、それに加えてシャンパンが3種類も自由に飲めるという夢のような内容でした。

しかも、たっぷりの制限時間 — 2時間という贅沢なシャンパンタイムを楽しめるにも関わらず、一人5,000円(二人で10,000円)という安心価格で提供されていました。

もし通常のグラスオーダーで頼んでいたら、どれだけ金額になっていたのか…と想像するだけでソワソワしてしまいます。
それでは、この日に飲んだ 3種類のシャンパン について詳しく振り返ってみましょう。
シャンパン その1 — Moët & Chandon Brut Impérial
モエ・エ・シャンドン ブリュット インペリアル

まず最初に楽しんだのは、シャンパンの代名詞とも言えるこの一杯。
Moët & Chandon は1743年創業、世界最大規模のシャンパンメゾンとして知られています。
このブランドのブリュット インペリアルは、
- ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ の三大品種を絶妙にブレンドした 非ヴィンテージ(NV)シャンパン。
- 長年変わらない一貫性と質が特徴で、どんなシーンにも合う「万能系シャンパン」とされています。
フレッシュな泡立ちと軽やかな酸味、豊かな果実香に支えられ、フリーフローでも飽きないバランスの良さが魅力でした。
その歴史と完成度の高さは、世界中の祝祭シーンで選ばれている理由を実感できる一杯です。
シャンパン その2 — Mumm Grand Cordon Brut
マム グラン コルドン ブリュット

次にいただいたのは、「赤いたすき」のラベルで知られる マム(Mumm) の定番シャンパン。
このシャンパンは…
- 1800年代に設立された歴史あるメゾンであり、ランスのブドウを中心に自社畑を所有。
- 以来、世界100カ国以上で愛されるスタンダードシャンパンとして確固たる地位を築いています。
特徴としては、
- クラマンやヴェルズネーなどの銘醸畑の果実を使用
- フルーティさとコク、しっかりした骨格
- 爽やかな酸味ながら、飲みごたえのある味わい
という点が挙げられます。
映画 カサブランカ でも登場したという逸話もあり、どこか気品とドラマ性を感じさせる存在です。
このグラン コルドンは、フリーフローでも意外なほど楽しめるバランス。
軽やかな食前酒としても、メインディッシュと合わせても崩れない魅力がありました。
シャンパン その3 — Nicolas Feuillatte Grande Réserve Brut
ニコラ・フィアット グラン・レゼルヴ ブリュット

3杯目は、やや異色の顔ぶれ — 世界でもトップクラスのシェアを誇るシャンパーニュブランドのひとつです。
ニコラ・フィアットは…
- 1976年創立と比較的新しいながら、フランス国内販売数量No.1、世界3位級のシャンパンブランド。
- 82もの生産者協同組合・5000以上のワインメーカーをまとめる巨大ネットワークが特長です。
今回飲んだ Grande Réserve Brut は、
- 65%をムニエ主体、20%ピノ・ノワール、15%シャルドネのブレンド。
- フレッシュな果実味、心地よい酸、バランスの良い味わいが魅力。
泡立ちが細かく、柑橘やプラムの軽い香りと共に、食事との相性も非常に良いタイプでした。
大きなコクや重厚感よりは、食卓や前菜とも合わせやすいシャンパンです。
シャンパン × フレンチ — クオリティの高いペアリング
ルマーキーでは、シャンパンだけが主役ではありません。

野菜スティックなどのアミューズから始まり…

イベントでは ローストビーフまで付いてきたのです。

肉の旨みと味付けの芳醇さに、泡の酸味が絶妙にマッチする瞬間 —「シャンパン ≒ 食前酒」という既成概念を超え、しっかり料理と合わせて味わえるシャンパンの力を感じる体験でした。
非日常の時間 — 贅沢さと余韻
このシャンパンフリーフローは、ただ飲むだけのものではありませんでした。

専用グラスで3種の泡を飲み比べることができる、「泡の滑らかさ」「香りの立ち方」「余韻の伸び」を心ゆくまで堪能できる時間だったのです。

飲み放題だからこそ出る余裕と余韻 — 高級シャンパンでありながら、気負わずに自由に楽しめた体験は、今でも忘れられません。
余談 — シャンパンの基礎豆知識
Champagne(シャンパーニュ) とは…
フランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのみが名乗れる伝統的ワインです。
ブドウ品種は主に ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ が使われ、複数年のベースワインをブレンドすることで安定した味を出します。
NV(Non-Vintage) とは…
複数の収穫年のワインをブレンドし、一定のスタイルを守るために造られたシャンパンです。
今回飲んだ3種はいずれもNVタイプで、それぞれのブランドらしい「安定感」と「飲みやすさ」が魅力でした。
まとめ
この日のルマーキーでの体験は、
- 「泡の魅力とは何か」
- 「シャンパンが食事とどれほど豊かなペアリングを生むのか」
ということを深く考えさせてくれるものでした。

華やかさだけではない、食卓・会話・シーンを満たすシャンパンの力。
その一点を、改めて強く感じた夜でした。
最後に
このイベントを振り返ると、今のコロナ禍とは対照的に、人と人の距離が近く、会話も自然体で交わされていた空間 だったことを思い出します。

そして帰路では、“いつものかき揚げそば” を食べて帰るという日常へ戻る儀式。

このコントラストが、非日常体験をより豊かなものにしてくれました。