はじめに
今回紹介するのは、三重県を代表する日本酒ブランド、「作(ざく)」 の中でも、特に人気と完成度の高さで知られる「◯◯の智(とも)」シリーズです。

写真に写っている6本はいずれも 四合瓶。
しかもすべて、同一シリーズで揃えられた見事なラインナップ。
今回は 頂き物 という形で我が家にやってきましたが、これだけの本数が一度に揃う機会はなかなかありません。
日本酒好きであれば、思わず背筋が伸びるような光景です。
「作(ざく)」とは — 三重が誇る銘酒
まずは「作」を造る蔵について、簡単に整理しておきます。
作(ZAKU) を醸すのは、三重県鈴鹿市に蔵を構える 清水清三郎商店。
江戸時代後期の創業という長い歴史を持ちながら、現在の「作」ブランドが本格的に評価され始めたのは比較的近年です。
特徴としてよく語られるのは、
- 透明感のある香り
- 雑味の少ない、非常にクリアな酒質
- 現代的で洗練された設計
- 食中酒としての完成度の高さ
いわゆる「派手すぎないが、完成度が高い」タイプの日本酒で、全国の飲食店、日本酒バー、そして家庭用としても高い支持を得ています。
また、「作」は海外評価も高く、国際的な日本酒コンテストでの受賞歴も多い銘柄です。
◯◯の智(とも)シリーズとは何か
今回の主役である 「◯◯の智」シリーズ。
「智(とも)」という言葉は、“知恵・理解・深み” といった意味合いを含む言葉。
作のこのシリーズは、
- 酒米ごとの個性
- 設計の違い
- 味わいの方向性
を比較しながら楽しめる構成になっており、「作」というブランドの懐の深さを、一本ずつではなく 複数本で理解するためのシリーズ とも言えます。
ラベルも統一感があり、並べた時の美しさ、シリーズとしての完成度の高さも魅力のひとつです。
写真の6本を一本ずつ見ていく
今回いただいた6本は以下のラインナップです。
① 作 雅乃智(みやびのとも)

シリーズの中でも特に有名な一本。華やかで上品な香り、滑らかな口当たりが特徴で、「作」を初めて飲む方にも薦められる定番的存在です。
フルーティーさと透明感がありながら、決して甘さだけに寄らないバランスの良さが光ります。
② 作 穂乃智(ほののとも)

「穂」という文字が示す通り、やや穀物感、ふくよかさを意識した設計。
香りは控えめながら、口に含んだ時の旨味の広がりが心地よく、食事と合わせることで本領を発揮するタイプです。
③ 作 玄乃智(げんのとも)

「玄」という字から想像できる通り、シリーズの中ではやや落ち着いた、深み寄りの印象。
派手さはありませんが、飲み進めるほどにじわじわと良さが伝わる一本で、静かに日本酒を楽しみたい夜に向いています。
④ 作 恵乃智(めぐみのとも)

赤い文字が印象的なラベル。やわらかさ、丸み、包容力を感じさせる酒質で、全体的に非常にバランスが良い仕上がり。
名前の通り、「恵み」を感じさせる一本です。
⑤ 作 奏乃智(かなでのとも)

青系ラベルが美しい一本。軽やかさと透明感が際立ち、飲み口は非常にスムーズ。
日本酒が得意でない方にも勧めやすく、冷酒でその良さが際立つタイプです。
⑥ 作(黒ラベル・雅乃智系統)

写真左端の黒を基調とした一本は、より引き締まった印象の設計。
香りは控えめながら、輪郭のはっきりした味わいで、シリーズの中でも“芯”を感じさせる存在です。
シリーズで飲むからこそ分かる「作」の設計力
この「◯◯の智」シリーズの最大の魅力は、単体で完結しない ところにあります。
一本ずつでも完成度は高いのですが、複数本を並べて飲み比べることで、
- 香りの方向性
- 旨味の出方
- 軽快さと重心の違い
といった点が、非常に分かりやすくなります。
これは、蔵元の設計思想がしっかりしている証拠でもあり、「作」というブランドが、感覚ではなく 理論と経験の積み重ね で造られていることを感じさせます。
まとめ — 贈り物としても、学びとしても
今回いただいた 作・◯◯の智シリーズ6本。
これは単なる「日本酒の詰め合わせ」ではなく、一つの 学びのセット と言っても過言ではありません。
- 作という銘柄を深く知る
- 日本酒の設計の違いを感じる
- 食事との相性を試す
そうした楽しみ方が、自然と広がっていくシリーズです。
一本ずつ、時間をかけて向き合いながら、その日の気分や料理に合わせて選ぶ。
そんな大人の日本酒の楽しみ方に、これほど向いているシリーズもそう多くはありません。
頂き物としてのありがたさと同時に、改めて 「作」という酒の完成度の高さ を実感しました。