はじめに
2026年1月7日、水曜日。

私は妻と娘(この日は就寝中)の3人で、再び秦野のらーめんさくら亭を訪れました。
この店には、数年前―まだ秦野駅前に店舗があった頃、「1週間に3回ほど通った」ほどの思い入れがあります。
あの頃は体重も今より5〜6キロ多かったという笑い話はあるものの、それでも “常習性を持つラーメン” に出会えたということ自体が、それだけこの醤油らーめんの魅力(中毒性)を物語っています。

今回の目的はシンプル。飽きることなく食べ続けたこの“醤油らーめん(大盛り)”がなぜ美味いのかを分析すること。

よって、今回はドリンクの注文はありません。
それでは、私と妻二人の見解を深掘りしていきます。
醤油らーめんの外観から読み解く魅力
注文はもちろん醤油らーめん大盛り(1,000円)を2つ。合計2,000円。
写真をご覧いただくと、まず特徴的なのはスープの濃度感と色合いでしょう。

この濃い醤油色は、単なる塩味ではなく、見た目からも “深い旨味と複雑味” を予感させます。
上に乗る具材はシンプルながら丁寧:
- 厚みのあるチャーシュー(肩ロース系)
- たっぷり水菜
- 海苔
- 青ネギ少々
トッピングはごく控えめ。
しかしその分、素材の良さと一体感が前面に出ています。
スープ構造の美味さ ─ 醤油×出汁×脂の三重奏
この醤油らーめんの最大の肝は、スープそのものの組み立てにあります。

① 醤油の深みと香り
さくら亭の醤油は、いわゆる「キレのある醤油」ではなく、じんわりと出汁と調和する丸みのある醤油味。
日本の醤油には大きく分けて
- 濃口(関東)
- 淡口(関西)
- 再仕込み
- たまり
といった種類があります。
このラーメンで感じるのは、濃口醤油をベースに出汁で丸みを持たせた、膨らみのある醤油感。
関東の濃口醤油は、塩味と旨味がしっかり立つ傾向があり、らーめんのスープに合う素地になります。
そこに出汁の要素をしっかり足すことで、飲み込んだ後の余韻に「またすぐ飲みたくなる」味の厚みが生まれます。
そのため、初口の “すっきり感” と、飲み干したくなる “後味の余韻感” が両立しているのです。
② 出汁の旨味が立つ香りと厚み
スープの核を担っているのは “出汁”。らーめんの醤油スープは、基本的に
- 豚骨(動物系)
- 鶏ガラ(動物系)
- 煮干・昆布・鰹節(魚介系)
のブレンドで構成されることが多いです。
さくら亭のスープは、魚介系というよりも動物系の風味が強く出ている。
ひとくち飲むと、まず鼻腔にふわりと立つのは、“丸みのある出汁の香り”。
単なる和風ラーメンにありがちな“粉っぽさ”はありません。
その理由は、動物系のコクがベースを支えているからです。
豚骨や鶏ガラのベースがあることで、出汁の香りにボリューム感と厚みが生まれ、醤油ダレと出汁のハーモニーが崩れずに口内で広がります。
③ 脂の使い方が絶妙
らーめんのスープに浮く脂は、単なる油膜ではありません。
これは香味油(フレーバーオイル)として機能しています。
香味油は、スープに
- 香りのアクセント
- 口当たりの滑らかさ
- 冷めにくさ
を与えます。
さくら亭のスープは、脂の層が非常に穏やかで、決してギトギトしないのに「もっと飲みたい」と思わせる作用があります。
これは、脂の種類と量が非常に丁寧に設計されている証拠です。
単調な脂感ではなく、旨味を持続させるための小さな仕掛けといえるでしょう。
麺の個性とスープとの相性
らーめんの価値は、スープだけで決まるものではありません。
スープと麺のマリアージュが、完成度を左右します。

さくら亭の醤油らーめんに使われている麺は、中太のストレートで、スープの旨味を適度に持ち上げるタイプです。
ポイントは、
- 麺の適度な厚み
- 糖度のある小麦の風味
- スープとの絡みの良さ
この3点が、高次元で両立しているということ。
多くの店では
- 細麺 → スープが勝つ
- 太麺 → 麺が主張しすぎる
といった極端なケースがありますが、さくら亭の麺は、バランス型の優等生。
スープの複雑味を受け止めながら、噛み応えと口当たりを両立できる設計になっています。
このため、食べ進めるほどに、
「また次の一口を欲する」
という心理状態を演出してくれます。
トッピングの妙
トッピングは多くありませんが、それぞれが “味を邪魔しない形” で、スープや麺の良さを支える構造になっています。
- チャーシュー
ややレア感のある肩ロース系チャーシューは、脂と赤身のバランスが良く、醤油出汁の濃さを適度に和らげてくれる存在。 - 水菜・青ネギ
清涼感と軽やかな香味成分を補完。口の中をリセットしつつ、次の一口への期待感を維持します。 - 海苔
波のある香りと、海洋性のミネラル感が、醤油出汁との相性を高めています。
なぜ定期的に食べたくなるのか?─心理と記憶の側面
私が過去に「週3で通った」という事実そのものが、このらーめんの魅力を物語っています。
これは単なる“味への依存”ではなく、記憶 × 味覚の連動現象と言えるかと。
人間の味覚は、「安心感・中毒性・反復性」の3要素で形成されます。
- 安心感
食べたときの満足感が高い - 中毒性
クセが強すぎず、かつ忘れられない - 反復性
何度でも楽しめる余韻とバランス
これらを高い次元で満たすラーメンは、他の料理と比べても、「習慣的に食べたくなる」確率が高いのです。
さくら亭の醤油らーめんは、この3つの条件を自然な形で満たし、しかも“重くない”という、日常系ラーメンの理想を体現しています。
まとめ─らーめんさくら亭の醤油らーめん全方位分析
この一杯が美味い理由を整理すると、
- しっかりした旨味と出汁感のある醤油スープ
- 動物系スープのバランスが秀逸
- 香味油の仕込みによる厚みの制御
- 麺とスープの絡みが高い次元で両立
- トッピングが全体を支える役割
これらが複合的に働いているからこそ、「何度でも食べたくなる」一杯になっているのです。
正月明けの体にもやさしく馴染む、中庸でありながら奥行きのある醤油らーめん。
さくら亭の一杯は、まさに “日常と特別の狭間の名作” でした。

スープもしっかりいだだきました。ごちそうさまでした。
自分用メモ(業務記録)
日時:2026年1月7日(水)
店舗:秦野・らーめんさくら亭
同伴:妻、娘(就寝中で未注文)
注文:
- 醤油らーめん 大盛り × 2 … 1,000円 × 2
- 合計:2,000円
検証ポイント:
- 醤油スープのバランス(動物系)
- 香味油の効果と後味の余韻
- 麺の絡みと口当たり
- トッピングの清涼感(青ネギ・水菜)の役割
- 記憶・安心感との関連性分析
次回検証案:
- スープの温度推移と香味油影響
- 麺の温度とコシの時間変化
- 醤油ダレの種類・原材料分析(聞き込み可)
領収証:
