【伊勢・酒場森下本館】結婚式の夜、日本酒に身を委ねる。

【伊勢・酒場森下本館】結婚式の夜、日本酒に身を委ねる。

はじめに

12月16日、火曜日。

猿田彦神社での婚礼、披露宴は終了。

心地よい余韻を抱えたまま伊勢市駅前へ。

少し歩きながら、ふと思い出した。以前、鳥羽で立ち寄った酒屋—酒の店もりした。その系列店が伊勢にあることを。

それが、酒場森下本館

祝いの一日を締めくくるには、これ以上ない場所だと思い、迷わず暖簾をくぐりました。

店の空気と、2階座敷という選択

案内されたのは2階の座敷。

観光地・伊勢という立地でありながら、どこか地元の空気が残る空間。

静かすぎず、騒がしすぎない。「日本酒を飲むための温度」が、ちょうどよい。

この時点で、今日は日本酒を主役にしようと、自然に決まりました。

お通し:豆腐

日本酒の夜の、正しい始まり

お通しは豆腐。

奇をてらわない、実に真っ当な一品。

大豆の甘みがはっきりしており、余計な雑味は感じられない。

日本酒を迎え入れるための、静かな準備運動。この出だしで、店の姿勢が伝わってきます。

刺身二種:食感が酒を呼ぶ

カンパチのお刺身

歯応えがよく、身に張りがある。脂は控えめで、後味はすっと切れる。

これは、

  • 吟醸香が強すぎない酒
  • 食中酒タイプ

そういう日本酒を呼ぶ刺身です。

貝柱のお刺身

いわゆる「貝柱の刺身」と呼んでよいのか迷う一品。とにかくコリコリ

噛むほどに旨味が出るタイプで、日本酒の米の甘みと非常に相性がいい。

はまぐり出汁の出汁巻き玉子

伊勢らしさが、ここにある

この日の料理で、強く印象に残った一皿。出汁巻き玉子。

はまぐりの出汁が、しっかり効いている。玉子の甘みの奥から、潮のニュアンスが立ち上がる。

これはもう、日本酒のための出汁巻き

特に、

  • しぼりたて
  • フレッシュで旨味が前に出る酒

と合わせると、止まらなくなります。

奈良漬けとクリームチーズ

わかっていても頼んでしまう、鉄板

奈良漬けの甘みと塩味、クリームチーズのコク。

説明不要の組み合わせですが、日本酒、とくに旨味系の酒にはやはり強い。

酒が進む進む。危険な一皿です。

〆:伊勢うどん

熱々、柔らか、完璧な着地

伊勢うどん。提供はしっかり熱々

柔らかい麺、濃いたまり醤油ベースのタレ。

飲んだあとでも、胃に優しく、心に沁みる。

この〆があることで、「伊勢に来た一日」が、きちんと閉じました。

本日のビール、日本酒たち

生ビール

最初は生ビールをいただきました。よく冷えていました。

ここからは、今回いただいた日本酒を一本ずつ。

而今(じこん) 三重・木屋正酒造

この日のベスト。文句なし。

説明不要の一本ですが、やはり飲むたびに思います。

・香り
・旨味
・キレ

そのすべてのバランスが、異常なほど高い。

価格は確かに高い。ですが、グラスを口に運んだ瞬間に納得する。

「王道は、伊達じゃない」と思わせる一本でした。

酒屋八兵衛(さかやはちべえ) 三重・元坂酒造

三重の地酒を語る上で欠かせない存在。

派手さはないが、米の旨味がまっすぐに伝わる。

しぼりたて特有のフレッシュ感があり、食中酒として非常に優秀。

料理の邪魔をしない、しかし存在感は確かにある。

田光(たびか) 三重・早川酒造

近年、評価を一気に上げている蔵。

香りは控えめながら、口に含むと旨味が広がる。

モダンすぎず、クラシックすぎない。

非常に今っぽい三重の酒、という印象。

るみ子の酒 三重・森喜酒造場

名前の柔らかさとは裏腹に、しっかり芯のある酒。

軽快で飲みやすく、気づくとグラスが空いている。

「どんどん飲んでしまう」と、まさにその通り。

半蔵 三重・大田酒造

最後は半蔵。

キレがよく、後味がきれい。

飲み疲れしない設計で、〆に選んだのは正解でした。

まとめ

結婚式の夜、日本酒で締めるという贅沢

祝いの一日。華やかな披露宴のあとに、静かに日本酒を飲む。

伊勢という土地、三重の酒、酒場森下本館という場所。

すべてが自然に繋がり、無理のない夜になりました。

観光のついでではなく、この店を目的に、また伊勢に来たい

そう思わせてくれる一軒でした。

旅の終わり

店を出て、本日泊まる宿へと帰ります。

途中、気になる飲み屋街を通り、後ろ髪をひかれながら。

これにて三重県を巡る旅は全て終了。

次回の旅も楽しみです。

個人店カテゴリの最新記事