はじめに
二日酔いの朝は、世界が少しだけ鈍く、重く感じられます。
光も音も味も、普段の輪郭を少しぼかしてしまう。そんな日、私は「何を食べれば身体が楽になるだろうか」と考えながら回転寿司のテーブルに座っておりました。

結論めいたことを先に言えば、私なりの答えは「寿司」。酢飯のほのかな酸味と温度、そして一口大にまとまった具材の扱いやすさ—それらが、二日酔いで弱った胃と、ぼんやりした気分に寄り添ってくれるように思えたのです。

この日はアルコールは断ち、妻と娘(1歳)を連れての来店。

娘にはうどんと卵焼きを与えたのですが、二日酔いの私とは対照的に彼女は元気にもりもりと食べておりました。その愛らしい姿に、少しだけ嫉妬しつつも(冗談です)、私は一貫一貫を慎重に選び、二日酔いの身体にとっての「適正」を確かめるように味わいました。

以下に、食べたネタを一つずつ、二日酔い状態での感想をまとめます。食感、脂の具合、香り、酢飯との相性、そして食後の身体の反応—できるだけ具体的に書き残しておきます。
マグロ(赤身) — すっと入る、安心感のある一貫
※二日酔いによる判断力低下。妻の撮影前に食べてしまったため、写真はありません。怒られました…
【所感】
赤身のマグロは、まずその癖のなさが頼もしい。脂が少なく、タンパクの輪郭がはっきりしているため、二日酔いで胃がもたれているときでも比較的受け止めやすい。噛みしめるごとに広がる旨味は穏やかで、舌に刺激を残さずに消えていく。酢飯の酸味と合わせると、口内でバランスが取れ、次の一貫へ進みやすくなります。
【二日酔い視点】
胃が敏感なときは脂っぽさが負担になるが、赤身はそうしたリスクが少なく、タンパク質補給にも適している。最初の一貫として好適。
びんちょうマグロ — 軽やかに、しかし後味に旨味

【所感】
びんちょうは赤身よりさらに軽やかで、魚の繊維がやや締まっている印象です。クセがなく、噛み切りやすいので飲み込みもスムーズ。醤油を少しつけると旨味が増し、酢飯の酸味と調和します。個人的には赤身の次に置きたい一貫。
【二日酔い視点】
胃に重さを与えない点が良い。食べ進めるうちに舌がリセットされ、胃の働きも徐々に動き始める感覚が得られます。
真アジ — 油の具合と香りのバランスが鍵

【所感】
真アジは旨味と程よい脂が同居するネタで、酢との相性が非常に良い。アジ特有の香りと、身の締まりが食べごたえを生む。小さな生姜や青ネギを添えると、香りの層が増して満足度が上がります。
【二日酔い視点】
脂があるため少し注意が必要ですが、酢飯の酸味と合わせることで胃が受け入れやすくなる。香りが食欲を刺激するので、食べられるなら積極的に選んでもよい一貫です。
イワシ — 旨味が濃く、味覚が目覚める一貫

【所感】
イワシは脂の乗りが良く、独特の旨味が強い魚です。鮮度や下処理によって好みが分かれるところですが、今回は程よい脂感とともに生臭さはなく、酢飯と好相性でした。小皿の生姜と合わせると、非常にきれいにまとまります。
【二日酔い視点】
強い旨味がかえって食欲を呼び覚ますことがあるので、二日酔いで「何か味のあるものを少し食べたい」と感じる時に有効。ただし、胃がとても弱い場合は控えめに。
シメサバ — 鮮烈な酸と塩気、効き目の早さ

【所感】
シメサバは酢で締めてあることで、魚の旨味に加えて鮮烈な酸味と塩気を持ちます。その味の強さは一貫で満足感を与え、口中をすっきりさせる効果が高い。酢飯と合わせると酸味の層が増し、全体がしゃきっとする。
【二日酔い視点】
頭痛や胃のむかつきがあるとき、シメサバの酸味は思いのほか効くことがある。胃内の不快感を一時的に中和し、身体を目覚めさせる効果が期待できる。ただし、塩気が強いと喉が渇くので水分補給は忘れずに。
サーモン(生) — 脂の優しさと米との親和性

【所感】
サーモンはその脂が魅力ですが、同時に脂の種類が比較的柔らかく、口当たりが滑らかです。シャリにのせると全体がまろやかになり、食べ心地が良い。炙りと比べると生はしっとりとした旨味が際立ちます。
【二日酔い視点】
脂分があるため、胃の状態によっては重く感じることもあります。ただし、サーモンの脂は比較的消化に優しいと感じる場合も多く、少量をゆっくり楽しむ分には問題なく、満足感を得られる一貫です。
炙りサーモン — 香ばしさが食欲を刺激

【所感】
表面を軽く炙ることで香ばしさが生まれ、脂の甘みが立ちます。口に含むと香ばしさと脂が調和して、より「おかず感」の強い味わいになります。レモンや柑橘のアクセントがあるとさらに良い。
【二日酔い視点】
炙りの香ばしさは食欲を刺激してくれるので、胃がだるいと感じる時に有効。ただし脂の量が増すので、食べる量は自制したいところです。
フグ — 軽やかで舌に優しい締めの一貫

【所感】
フグの身は淡泊でありながら、噛むごとにほんのりした旨味が出るところが魅力です。食感がしゃっきりとしており、酢飯との相性は穏やか。薬味に葱やポン酢風のものが添えられていれば、さらに食べやすくなります。
【二日酔い視点】
淡泊であること、かつ繊細な旨味があることから、二日酔いで胃が敏感なときの締めに非常に適しています。満腹感を程よく抑えつつ満足感を与えてくれる一貫です。
総合の所感 — 寿司は二日酔いに“寄り添う”選択肢か
今回食べたネタを通して感じたのは、寿司という形態そのものが二日酔いとの相性を持っている、ということです。いくつか理由を列挙しますと:
- 酢飯の適度な酸味が胃に刺激を与え、消化を促すことが期待できる。二日酔いでどんよりしたとき、口内をリフレッシュしてくれます。
- 一口大であること。食べやすく、量をコントロールしやすい点は、胃が不調なときに重要です。
- ネタの多様性により、脂の少ないものから旨味が強いものまで順に選べるため、身体の調子に合わせて調整可能です。
- 温度と食感のバランス。酢飯のぬくもりとネタの冷たさのコントラストが、身体をゆっくり起こしてくれる感覚があります。
総じて、二日酔いの朝に「まず何か口にしたい」と感じたとき、寿司(特に回転寿司のように手早く種類を選べる場)はかなり有効な選択肢であると結論づけました。
もちろん個人差はありますし、極端に胃が弱い場合はお粥やうどんの方が安心です。
しかし私の場合、寿司は「段階的に食べられる」良い手段でした。
娘の様子(小さな脇役が教えてくれたこと)
娘には卵焼きとうどんを注文しました。

彼女は私とは正反対にぺろりと平らげ、笑顔で食べるその姿を見て、二日酔いで萎えた気持ちが自然と和らぎました。

子どもが元気に食べる光景は、何よりの薬。少しだけ羨ましくもありましたが、家族で来られる寿司屋はやはり使い勝手が良いと再認識しました。
自分用メモ(業務記録)
日時:2025年12月9日(火) 昼
店舗:はま寿司
目的:二日酔いのときに食べたいものは何かを検証 → 結論:寿司は段階的に食べられ、酢飯のリフレッシュ効果があるため有力候補。
参加者:私(代表取締役)、妻(取締役)、娘(1歳)
アルコール:無し(体調不良のため断酒)
食べたもの:
- マグロ(赤身)
- びんちょうマグロ
- 真アジ
- イワシ
- シメサバ
- サーモン(生)
- 炙りサーモン
- フグ
- うどん(娘・完食)
- 卵焼き(娘・完食)
評価(簡潔):
- 赤身系(マグロ・びんちょう):胃に優しく、最初の一貫に最適。
- 青魚系(真アジ・イワシ・シメサバ):旨味と脂があり食欲喚起に有効。シメサバは酸味で特に目が覚める。
- サーモン系:脂はあるが滑らかで満足感あり。炙りは香ばしさで食欲を刺激。
- フグ:淡泊で締めに良し。繊細な旨味で胃に優しい。
所見(業務メモ):
- 二日酔い時は「酢飯+淡泊なネタ→旨味の強いネタ→締めの淡泊」で食べ進めると、胃への負担を抑えつつ満足感を得やすい。
- 水分補給(緑茶や水)は随時必要。塩気の強いネタ(シメサバ等)を食べた後は特に注意。
- 娘の食欲観察は記事の挿話として有効。家族連れ視点の記述が読者の共感を呼ぶ。
次回チェックポイント:
- 同じ二日酔い状態でうどん/お粥/寿司それぞれを比較試食し、回復時間・身体感覚の違いを記録する。
- はま寿司のネタごとの脂質感(脂の種類)をメモして、どの脂が二日酔いに向くか整理する。
- 食後の体調(胃の重さ、頭痛の変動)をタイムスタンプで記録する(30分・1時間・2時間後)。
備考(記録):領収書は保管済み。写真(ネタの写真・娘の食事風景)をブログ用に編集予定。