【飯田橋・ルクープシュー】久しぶりの“いつもの場所”で味わう安心のフレンチ

【飯田橋・ルクープシュー】久しぶりの“いつもの場所”で味わう安心のフレンチ

はじめに

飯田橋のル・クープシュー(Le Coupe Chou)へ。

妻と二人で伺いました。

移転前の新宿時代から足を運んでいた店。

扉を開けた瞬間に「あの空気」が戻ってきたようで、心がほっとほどけるひとときになりました。

以下は当日のコース(私たちは5500円のBコースを選択)を中心に、料理の印象をできるだけ丁寧に、詳細に記していきます。

お店のこと

ル・クープシューは以前新宿にあった老舗感のあるフレンチで、近年飯田橋へ移転して再オープンしています

こぢんまりした店内で、肩肘張らないサービスと安定した料理が魅力。移転後も「変わらない良さ」が好評のようです。

コースの構成

私たちの選んだ5500円のBコースは、下の流れでした(ほぼ標準的な構成):

  1. サラダ(クレソン中心のシンプルな野菜)
  2. 前菜その1(私分=煮込み系)/前菜その1(妻分=ライス系?) — *メニュー名は失念
  3. 前菜その2:ウニのグラタン(2人分) ← 本稿ではこれを中心に詳述します。
  4. ポタージュ(2人分)
  5. メイン:私=オマール海老のラ・ミドール、妻=仔羊のロースト
  6. デザートとコーヒー、そして白ワイン(ボトル)とスパークリングウォーター

移転後もコース構成は概ね同様で、ランチ/ディナーともに「パン(バゲット)とバター」が供され、バゲットはおかわり可能です。

小さな店らしい丁寧な回し方。フレンチは満腹感を感じることが多いのですが、非常にゆっくりとした提供のため、途中辛くなることなく、料理を楽しむことができました。

サラダ — 写真での紹介

クレソンのサラダ。

前菜その1 — 写真での紹介

私の煮込み系。

妻のライス系。

前菜その2 — ウニのグラタン(詳述)

これがこの日のハイライト。

器で焼かれた熱々のグラタンは、表面の香ばしい焦げ目がふっと鼻をくすぐり、スプーンを入れると中からウニの濃厚な風味とクリーミーなソースがとろりと顔を出しました。

  • 香り:バターとチーズの芳醇な香りに、ウニ特有の海の香りが混ざり合い、期待を高めます。
  • テクスチャー:表面は少しカリッと、内部はとろっとクリーミー。ウニは粒の形を多少残しつつもソースと一体化していて、口に含むと蕩けるよう。
  • 味わいの層:最初にまろやかな乳製品の甘さ(ベシャメル+チーズ系)が来て、その後にウニの旨味(海の塩気と複雑な甘味)がふくらみます。わずかな酸味やハーブの残り香が後味を整えてくれるため、くどさはなく、ついついパンですくいたくなる作りでした。
  • 合わせ方:今回の白ワイン(ハウスワイン)と抜群に合いました。ウニのコクを白の酸が切ってくれて、口の中が軽やかに次の一口へと導かれます。

率直に言って、家庭では再現しにくい「火入れ(焼き加減)と塩の塩梅」がきれいに決まった一皿で、ウニ好きにはたまらない満足度でした。

ポタージュ、スープ

具体的な名称は控えますが(私の記録が曖昧で恐縮)ポタージュは滑らかで温かい一杯

素材感を損なわない丁寧な裏ごしと、味のコントロールが良く、前菜→ポタージュ→メインへの橋渡しとして心地よい役割を果たしていました。

メイン — オマール海老のラ・ミドール(私)と仔羊ロースト(妻)

オマール海老のラ・ミドール

オマールの甘みがしっかりと残る火入れ。

濃厚なソースが上に添えられており、バゲットと合わせてソースを拭うようにして食べると、海の香りとソースの深みが重なり至福の味わいになりました。

仔羊のロースト

程よくロゼに保たれた焼き上がりで、仔羊の旨味と香ばしさが素直に伝わる一皿。

焼き目と付け合わせソースが、肉の旨味を引き立てています。

メインのどちらも「熱々で出す」「火入れをきちんとする」という基本がしっかりしており、丁寧な調理を感じるものでした。

バゲットとバターのこと(小さな驚き)

個人的に毎回嬉しく思うのが、ここで出るバゲットとバターの質の良さ。

ここのバターは「なめらかでふわっと溶ける感覚」があって、バゲットにたっぷり乗せると幸せが膨らみます。

妻はこのバターが本当に好みで、たっぷりと塗って食べていました。

小さな要素ですが、食事全体の満足度をしっかり底上げしてくれます。移転後もパンとバターのサービスはほぼ変わらず、好評のようです。

ワイン/飲み物

今回は白ワインのボトルとスパークリングウォーターを合わせました。

ル・クープシューでは店名ラベルが貼られたハウスワイン的ボトルが用意されていることがあり、今回はその“オリジナル・ハウスワイン”を頼みました。

前菜のウニや魚介寄りの皿には白がよく合い、肉の皿でも重すぎず食事を通しての一体感がありました。

デザートとコーヒー

最後は定番のデザートとコーヒーで締め。

デザートは重くなりすぎない軽やかな仕上がり。

食後の余韻を上品にまとめてくれました。

総評(私見)

ル・クープシューは「大きな驚き」ではなく「安定した安心感」と「ちょっとした心地よい驚き(今回ならウニのグラタンやバター)」が同居する良店だと思います。

移転して場所は変わったものの、料理の芯は変わらず、肩肘張らずに食事を楽しめる点が何より魅力。特別な日でも、普段使いでも使える懐の深さがあるお店だと感じました。

移転後の評判や訪問記も増えていて、以前のファンが足を運び続けているのも頷けます。

メモ(実務用)

  • 日時:今回の来店(夜)
  • コース:Bコース 5500円 ×2(サラダ/前菜×2/ポタージュ/メイン/デザート)
  • 注文のポイント:前菜2(ウニのグラタン)が特に秀逸。白ワイン(ハウス)と相性良。
  • 感想:バゲット+バターの満足度が高い。オマールは火入れ良好、仔羊ローストも安定。デザートは軽め。
  • 次回の楽しみ:ランチの手軽なコースも評判良し。移転後のメニュー構成は概ね踏襲されている。

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