はじめに
12月2日、火曜日。
家族で銀八鮨のランチへ伺いました。参加者は私、妻、娘、それに私の両親と義父の合計6名。
普段の食事より少し贅沢を、と皆で話しながらの穏やかな昼下がりになりました。

今回、私がメニューの中から選んだのは「すしとアラ煮御膳」。写真にもあるとおり、鮮やかな赤い身が印象的なアラ(=魚のあら)を使った煮付けがメインのセット。
以下、料理の感想を中心に丁寧にご報告します。
注目の主役 — アラ煮(あらに)の印象
最初の一言は「力強い旨味と、しかし飽きの来ないやさしさ」。

アラ煮は、魚の頭や中骨まわりの“あら”を砂糖・醤油・酒・みりんなどでじっくり煮込んだ一品。骨まわりのゼラチン質や皮のうま味が出て、出汁に深みが出るのが特徴。
今回の銀八のアラ煮は、煮汁がしっかり染みているのにしつこくなく、身や皮がほどよくほぐれるやわらかさ。煮崩れしすぎず、かつ箸でほろっとほぐれる加減は、職人の火入れのうまさを感じました。甘辛い煮汁を白いご飯と合わせても、それはもう正しい昼食の幸福となるでしょう。
参考)魚の「あら」は骨や皮が残る部分で旨味が出やすく、煮物に向いていることがよく知られています。下処理をしっかりすると臭みを抑えられます。
味つけと調理の要点(少し料理寄りの話)
家庭や店でよく使われる煮魚(あら煮・煮付け)の調味は、酒・みりん・醤油・砂糖のバランスが重要。よく紹介される“黄金比”のひとつは、砂糖:みりん:醤油:酒を「1:2:2:4」の比率にするというもの。これに水を足して煮ることで、照りと甘み、コクのバランスが整います。
銀八のアラ煮も、表面にほどよい照りがあり、味が濃すぎず淡白すぎず、まろやかな調和が取れていました。店の仕込みであれば、下茹で(血や汚れを落とす)や煮る工程の温度・時間の管理がさらに重要で、そこが美味しさの差になるのでしょう。
すしとの組み合わせ — 「御膳」としての完成度
御膳は握りの盛り合わせと茶碗蒸し、汁物、そして私の選んだアラ煮が一皿に。

握りはひとつひとつのネタが新鮮で、ひと口ごとに異なる食感と風味が楽しめました。
アラ煮のしっかりした旨味が、握りの清廉な酢飯の風味と好対照となり、交互に食べることで口中がリセットされつつ、満足感を重ねることができます。
茶碗蒸しのやさしい味わいも、全体の印象を上品にまとめていました。
家族の反応と風景
娘にはおこさまメニューから注文。

「おこさま八っちゃんセット(770円)」を頼みました。

納豆巻きや茶碗蒸し、ポテト、プリンなどをペロリと完食。
子連れに対する気配りも行き届いており、店の方が子どもに優しく接してくださったのがありがたかったです。
いつも通り、飲み物も注文。

ビール。

日本酒(この日は「丹沢山」「緑川」)。

会計は父が支払ってくれ、家族での会食はいつもよりほっこりした空気になります。
(今回は私の父が会計をしてくれました。みなさん、いつもありがとうございます。)
各御膳を1文で紹介
● さくら御膳(4,620円)
サーモンサラダと煮物。

刺身盛り。

天ぷら盛り。

四季の彩りを映した華やかな盛り付けで、銀八鮨の丁寧な仕事が一度に味わえる贅沢な御膳です。
● すしとかき揚げうどん御膳(2,500円)

香ばしいかき揚げうどんと握り寿司の温冷バランスが心地よい、ほっと和む組み合わせです。
● すしと上天ぷら御膳(2,600円)

揚げたての上天ぷらと新鮮な握りが並ぶ、食感の対比が楽しい満足度の高い御膳です。
● すしと天ぷらサラダ御膳(2,900円)

軽やかな天ぷらサラダと寿司が調和し、昼食にも夕食にも使いやすい上品でやさしい一品です。
総評 — 日常に少しの特別を
銀八鮨の「すしとアラ煮御膳」は、魚の旨味を存分に味わえる一膳。

握りの新鮮さ、アラ煮の深いコク、付け合わせのバランス。どれも「外食で味わう価値」が十分にあります。
家族での会食に向いた落ち着いた空気と、子連れへの配慮もポイントが高い。
次の機会には、別の煮魚の設定や、限定の御膳なども試してみたいと思いました。