はじめに
2024年9月8日、日曜日。
沼津港の喧騒の中、丸天(まるてん)はいつもどおり観光客と地元の人で賑わっていました。
並んででも食べたくなる名物料理がいくつもあり、今回は「まぐろのテール(尾)ビーフシチュー」「かき揚げタワー」「生しらす」「生ビール(静岡ご当地サッポロビール)」―これらを中心に味わい、感じたことをできるだけ丁寧に、詳しく書き残します。
店先の雰囲気と導入
沼津魚市場に近い丸天は、観光客向けの華やかさと漁港らしい実直さが同居する店。

店内は活気にあふれ、注文が次々に通るカウンター越しに活気が伝わってきます。
観光地の食堂とはいえ、地元の魚をしっかり扱う信頼感があり、期待が自然と高まります。
まぐろのテール(尾)ビーフシチュー — 料理としての驚き
今回のハイライトメニューがこのビーフシチュー。

見た目とファーストインプレッション
テーブルに運ばれてきたとき、まず目を引くのは「肉塊感」。まぐろの尾のボリュームは想像以上で、じっくり煮込まれた風格があります。表面は濃厚なブラウンソースに覆われ、湯気とともに立ち上る香りが「食べる前のワクワク」をしっかり煽ります。
味の構成(肉質・ソース・付け合わせ)
- まぐろの尾肉:尾の身は比較的赤身寄りで脂の入り方が局所により異なり、しっかり火を通してもパサつかずに旨味が残る部位です。煮込むことでゼラチン質が溶け、舌にまとわりつくようなコクを作っていました。
- ビーフシチューのソース:デミグラスに近い深みを感じるソース。牛由来のコク(ブラウンルー)とトマトの酸味、香味野菜の甘さがうまくまとまっており、まぐろの旨味を邪魔せずに引き立てています。魚の身に洋風の濃厚ソースを合わせるという発想が見事で、口に含むたびに「魚とソースの距離感」が心地よく変化します。
- 付け合わせ:グリルした根菜や葉野菜が添えられ、ソースの濃さをリセットしてくれます。全体のバランス感は良好で、最後まで飽きずに楽しめました。
この料理は「魚×洋風煮込み」の好例で、地域の新鮮素材をローカルな調理で大胆にアレンジした一皿だと感じました。丸天のメニューは季節や提供内容が変わることがありますが、このような豪快な一皿は訪問の大きな満足要素になっています。
かき揚げタワー(海鮮かき揚げ丼) — 見た目のインパクトと味わい
丸天の代表的な名物のひとつに、巨大なかき揚げを丼にのせたビジュアルの強いメニューがあります。

写真やブログ記事で「タワー」や「そびえるかき揚げ」と表現されることが多いですが、実際に目の当たりにするとその圧倒的なスケールに圧倒されます。
外はカリッと香ばしく、中は具材のしっとり感が残っていて、衣と具材のコントラストがはっきりしているタイプ。
観光客向けの派手さだけでなく、揚げの仕事が丁寧であることが伝わる味でした。
「生しらす」 — 鮮度と季節感を味わう(駿河湾の恵み)
沼津や駿河湾沿岸は、生しらす(生のシラス)が春先から初夏にかけて出回ることで有名です。

生しらすは鮮度が命で、漁の有無や漁獲状況、そして保健所等の指導による販売可否で「その日食べられるかどうか」が決まることが多いとのこと。
今回いただいた生しらすは、身の透明感と海の香りが感じられ、刺身に近い鮮度であることが明確でした。生しらすは旬や漁期が地域によって差があるため、訪問当日の「有無」を店に確認するのがおすすめです。
(補足)生しらすは鮮度管理が難しいため、観光シーズンでも「その日水揚げなし」や「衛生検査で販売不可」となることがあり得ます。現地での販売情報に注意してください。
生ビールと一緒に楽しむ(静岡・沼津のクラフト事情)
沼津周辺ではクラフトビールの動きが活発で、地域の素材や地域性を活かしたブランドも増えています。

注文は、サッポロのご当地ビール・静岡麦酒。
また、丸天や周囲の飲食店では地元産や静岡エリアのクラフトビールを揃えている場合もあります。海鮮料理に合わせてクラフトを楽しむことで、口の中がさっぱりして良い組み合わせとなります。
訪問時は「その日の樽生(生ビール)」を尋ね、地元銘柄があればぜひ試してみてください。
丸天での食べ方・私なりの推奨シークエンス
- 到着後、もし混んでいるならまず「かき揚げの写真」を撮る。見た目のインパクトは旅の思い出になる。
- 先に「生しらす」があれば軽く一皿で鮮度と海の香りを確かめる(クリアな海の香りがあると期待大)。
- メイン(今回はまぐろのテールシチュー)をゆっくりと味わい、付け合わせの根菜や葉物で舌をリセットする。
- 最後に、濃厚なソースや油分を流すためにビール(あるいはさっぱりしたドリンク)を合わせると余韻が爽やかになります。
丸天という店の位置づけ(まとめ)
丸天は「沼津港の観光食堂」の代表格でありながら、素材の扱い・調理の丁寧さに妥協がありません。
今回の「まぐろテールのビーフシチュー」は地域の魚を大胆に洋風に仕立てた好例で、かき揚げのような伝統的な海鮮メニューもハイレベルに作られています。
観光客向けの派手さだけでなく、地元の食文化や漁業資源をしっかり味として見せてくれる、そんな店だと感じました。
自分用メモ(業務記録)
- 日時:2024年9月8日(火)
- 場所:沼津港付近・丸天
- 同行者:妻(運転のため主に私が飲まず、妻が生ビールを嗜む)
- 注文:
- まぐろのテール(尾)ビーフシチュー(見た目・量ともにボリュームあり)
- 海鮮かき揚げ丼(「タワー」状・インパクト大)
- 生しらす(鮮度良好、海の香りが立つ)
- 生ビール(静岡麦酒、沼津のクラフト系があれば合わせたい)
- 感想:
- まぐろテールは洋風ソースと非常に良く合う。部位の個性(赤身のしっかりした旨味とゼラチン質)を活かした一皿。
- かき揚げタワーはSNS映えするビジュアルと、実際の揚げ仕事の良さが両立。
- 生しらすは漁期・鮮度に左右されるため、当日販売の有無を要確認。
- ご当地ビールと合わせ、濃厚料理の口直しに最適。
- 備考:丸天は季節メニューやその日の仕入れで構成が変わることがあるため、再訪時はメニュー・提供状況の確認推奨。
参考(観光・産地情報のポイント)
- 丸天のように観光地の名物料理は「その日その時の漁や仕入れ」に大きく依存します。事前に営業時間と当日メニューの有無を確認すると安心です。
- 生しらすは鮮度に敏感な食材。春〜初夏にかけての漁期情報、及び販売可否は現地情報に依存します。
- 沼津・駿河湾エリアはクラフトビールの動きが活発。地元のタップ情報を探してみると面白い発見があります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
ブログを書きながら、写真の一枚一枚と向き合うと、その皿が「誰が、どのように、どんな素材で」作られたかが見えてきます。
丸天のような店は、旅先でそうした物語を気軽に味わわせてくれる場所。
次回はまた別の皿、別の季節に訪れてみたいと思います。