ジャークチキンの余韻と、家族のあたたかさに包まれて
11月23日、日曜日。
朝の空気にほんのりと冬の匂いが混じり始めた頃、私たちはいつもの四人―私、妻、娘、そして妻の父と共に、“エスタミネ・コゼット”へ足を運びました。
言わずと知れた名店で、この日も店は大繁盛で満員でしたが、店内には穏やかな温度と、丁寧に整えられた料理の香りが満ちており、外のひんやりとした空気との対比が何とも心地良く感じられました。
乾杯は、泡と赤から
席に案内され、まずお願いしたのはスパークリングワインのデキャンタ。
価格は 1,200円。この「気軽に、それでいて美味しい」価格帯が、エスタミネ・コゼットの良さでもあります。
泡のきめ細やかさに包まれながら、ふっと肩が緩むような感覚がありました。
続いて、赤ワインのデキャンタを二つ。こちらもそれぞれ 1,200円。
ランチの時間帯にデキャンタで楽しめるというのは、やはりありがたいものです。
家族四人で分け合いながら、食事をゆっくりと進めていけるのは幸福な時間そのもの。
2,500円のランチセットが想像以上の満足度
この日のランチセットは 2,500円。内容は以下のとおり
- 前菜盛り合わせ
- パスタ
- メイン料理(各自選択)
- デザート
- コーヒー
という充実ぶり。
前菜盛り合わせ
パスタ
どの皿も丁寧な仕事が施されており、料理に向き合うスタッフの誠実さが伝わってきます。
選べるメインは三種。なかでもジャークチキンが忘れられない
メインは三種類をそれぞれ注文しました。
ジャークチキン
コロッケ
さわらの一皿
そして、私が選んだ ジャークチキンが、驚くほどに素晴らしい出来でした。
写真を見ていただくと分かるのですが、表面は香ばしい焦げ目がしっかりと付き、スパイスの香りが立ち上るような仕上がり。
一口頬張ると、外側の香ばしさと内側のしっとりとした肉質が共存しており、噛むたびに旨みとスパイスの輪郭が広がっていきます。
付け合わせのグリル野菜も秀逸でした。特に、やさしい甘みのにんじん、そして少し香ばしさを帯びたかぶ。こうした野菜が一皿の完成度をぐっと引き上げています。
このジャークチキンは、素朴な言い方になりますが「本当に美味しかった」。エスタミネ・コゼットに来る楽しみが、また一つ増えたように思います。
食後の穏やかな時間と、家族のあたたかさ
デザート
コーヒー
デザートとコーヒーをいただきながら、家族でゆっくりと語り合う時間。
娘が美味しそうにスイーツを食べる姿を見て、妻の父が目を細めていたのが印象的でした。
そして、この日の会計もまた、妻の父がすべて支払ってくださいました。
この歳になっても、こうして家族に支えられていることのありがたさを、しみじみと感じます。本当にありがとうございます。
帰り道、静かな余韻に浸る
店を出ると、外の空気はすっかり冬の表情。
身体の芯にほんのり赤ワインの温度を残しながら、ゆっくりと帰路につきました。
エスタミネ・コゼットのランチは、ただ美味しいだけではなく、家族の時間を豊かにしてくれる力を持っている。
そんなことを改めて感じた一日でした。