思考を整える、サウナという習慣④

思考を整える、サウナという習慣④

書くことに詰まったら、サウナへ

日々ブログを書く、教材をつくる、案内文を整える。

書く仕事というのは、思っている以上に“詰まり”との戦いです。

言葉が出てこない。構成が組めない。伝わる気がしない。

そんなとき、私は湯気の中に逃げ込むように、サウナへと向かいます。この数年で気づいたのは、サウナというのは、ただ整うだけの場所ではなく、書くための「回復室」でもあるということでした。

書く人の脳は、常に言葉に包まれている

英語講師としての仕事も、ブログ運営も、表現を仕事にするという意味では「書く人」の一種です。誰かに伝わるように構成を考え、やわらかく、でも的確に届ける。書くという作業は、外に出すようでいて、実はかなり内側に潜る行為でもあります。

書けないときというのは、たいてい頭の中が“言葉の霧”で満たされている状態。情報が多すぎるか、思いが強すぎるか、その両方か。だからこそ、サウナという“無言の空間”が、じつにちょうど良いのです。

サウナの中で“文章の輪郭”が現れる

サウナ室ではスマホもメモ帳も使えません。だからこそ、頭の中にあるアイデアを、「一度、記憶に仮置きする」というステップが生まれます。

・この記事、何から書き始めようか
・あの段落、順番を変えたほうがいいな
・あのフレーズ、なんだかしっくりこないな

不思議と、汗をかいている間に、文章の輪郭がぼんやりと見えてくるのです。頭のどこかが整理され、どこかがほどけて、言葉が自然な流れに戻っていく。そんな現象が、何度も起きました。

外気浴で「構成」がまとまる

水風呂のあと、外気浴に入った瞬間。あの“風に包まれる数分間”は、構成が整う時間です。

・最初にエピソードを入れて
・中盤で思考を深掘りして
・最後は静かに、読者に余白を残す

誰かに見せる前提で書く文章というのは、読み手の呼吸を想像しながら設計することが大切です。

外気浴のなかで、自分の呼吸が整っていくのを感じながら、そのテンポで文章の構成を決めていく。これはまさに、「読ませるために書く人」ならではの整え方かもしれません。

サウナのあとは、書く手がスムーズに動く

不思議なことに、サウナのあとで書いた文章というのは、語尾の迷いが少なく、文と文のつながりが自然です。

頭の中の“モヤ”が晴れているからか、迷いが減り、音読してみたときのリズムが気持ちいい。とくにブログのような「考えを人に届けるための文章」では、熱の残るうちに書き始めるのがとても効果的です。

・サウナ施設のカフェで下書きを打つ
・帰宅後すぐにタイトルと構成だけメモする
・整いの感覚を「言葉」に変える

この“整ったあとの30分”をうまく活用することで、書くことのストレスが軽くなり、むしろ「楽しい」に変わるのです。

おわりに:文章を書くことと、整えることは似ている

サウナに入ることで身体が整うように、言葉もまた、熱と冷却と余白によって整っていくのかもしれません。

無理に出そうとせず、いったん外へ逃がす。手を止めて、頭ではなく感覚にまかせる時間を持つ。そうした行為のすべてが、じつは「書く準備」になっている。

私にとって、サウナは「整う場所」であると同時に、「書く人の秘密基地」でもあります。これからも、汗と湯気と沈黙の中で、次の言葉を探していこうと思います。

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