法人設立をひとりでやってみた話(その六)

法人設立をひとりでやってみた話(その六)

〜社会保険手続き、すべてオンラインでやってみた〜

法人を設立したあとにやってくる、いくつかの「壁」のような手続き。そのうちのひとつが、社会保険の新規適用届です。

法人の代表者が報酬を受け取るなら、たとえ一人会社でも健康保険と厚生年金に加入する義務があります。つまり、会社が「自分を雇用する」ことになるわけで、不思議な感じです。

かつてこの手続きをやった時には、書類を印刷して、記入して、年金事務所へ郵送をして…という流れが主流だったのですが、今は違います。

GビズIDを取得することで、これらの手続きを完全にオンラインで完了させることが可能になっているのです。

GビズIDとは、法人や個人事業主が政府の電子申請サービスを利用するための認証アカウント。マイナンバーカードとカードリーダーを使って本人確認を行い、申請から数日後にIDが発行されました。ここまで来るともう、パソコン仕事の延長線です。

IDが発行されたら、あとは「届書作成プログラム」というツールを使って、必要事項を入力。

  • 健康保険・厚生年金保険 新規適用届
  • 被保険者資格取得届

こうした書類を、オンライン上で作成・送信していきます。

この作業が想像以上に細かくて、誤字一つでも弾かれるため、数時間、集中力を切らさずに向き合う必要がありました。

「すべて終わって“送信完了”の画面が出たときの達成感」は、ちょっとしたものでした。

ここでは紙を一枚も使わず、印鑑も不要。すべての手続きがオンラインで完結する時代になったとはいえ、ここに至るまでの下準備(ID取得、マイナンバーカード設定、GビズID発行など)は決して簡単ではありません。

それでも、このやり方を選んだことで、「会社をつくった」という実感がまた一段、深まったように思います。

便利になった分、ひとつひとつの作業は“自己責任”の色が濃くなっています。でも、自分の会社のためなら、こういう地道な作業も、どこか楽しい。不思議な充実感のある日々でした。

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