昼のシリーズ

  • 2025.09.10

汗をかくことの爽快さについて

はじめに 八月の終わり、夏の余韻がじわりと残る午後。 私は引っ越しのために、段ボール箱や家具をせっせと運んでいました。普段はデスクに向かうことの多い身にとって、何十キロもの荷物を抱え、階段を上り下りするという作業は、なかなかの重労働。額からは容赦なく汗が流れ、Tシャツはすぐに色を変えてしまいました。 […]

  • 2025.09.08

最終番外編:昼のベランダ、虫の声とビール 、 身体に染みる光と泡

休日の昼間、窓を開け放つと、世界は一気に光で満たされる。太陽は高く、光はまぶしく、影は最短になる。ベランダのタイルは白っぽく反射し、空気は淡く揺れる。 遠くからは車の音が断続的に届くが、その隙間を埋め尽くすのは、何と言っても虫たちの声だ。昼の虫の音は夜の合唱とは質が違う。夜はコオロギやスズムシの繊細 […]

  • 2025.08.13

第四話:夕陽と一献

休日の午後、塾での仕事を終える頃には、窓の外の光がずいぶん傾いていました。 昼間の鋭く突き刺すような光とは違い、夕方の太陽は輪郭を柔らかくしながら、あたりを金色に包み込みます。 机に置いたペンの影が、ゆっくりと長く伸び、部屋全体がまるで琥珀色のフィルターを通したかのように染まっていく。その変化は、時 […]

  • 2025.08.12

第三話:川沿いにて

昼の陽射しは、まるで鏡をなぞるように川面を滑っていました。 流れは一定のようでいて、近くで見ると細かなうねりを繰り返し、そのたびに光の反射が形を変えます。時おり水面をすべる風が、光の帯をやわらかく揺らしました。 川沿いの道は、夏の真昼らしい熱を帯びています。アスファルトがゆらりと揺れて見えるほどの熱 […]

  • 2025.08.11

第二話:公園のベンチにて

昼の太陽は、真上から容赦なく照りつけていました。 アスファルトの道は熱を含み、足裏からじわじわと伝わる温度が、この日が確かに盛夏のただ中であることを教えてくれます。歩道の端に植えられた街路樹は、緑の葉をいっぱいに広げながらも、その影は思ったよりも短く、逃げ場の少ない光の中を歩き続けることになりました […]

  • 2025.08.10

第一話:真昼の残響

休日の昼、外に出た瞬間、世界はまるで光の中に沈んでいるよう。 空は深く澄み渡り、どこまでも抜けるような青。そこに漂う雲は真っ白で、輪郭は鋭く、まるで紙に切り抜かれたようです。太陽は高く、何もかもを包み込むように輝き、遠くの景色さえ揺らめかせておりました。 アスファルトの上には、熱が漂い、わずかに立ち […]