はじめに
11月3日、月曜日。文化の日で祝日。
仕事(授業)を終え、夜の街に出たときの空腹というものは、平日のそれとは濃度が違う。身体の芯から「食べたい」と訴えてくる。
そんなタイミングで出会ったのが、町田商店の“感謝祭”ポスター。
通常880円のラーメンが並で500円、思わず目を奪われましたが、この夜の私の選択は「醤油豚骨・大盛」。結局600円で、満たされる選択をしました。
以下、いつものように、味わいの細部、食べ方の工夫、後味の感想まで丁寧に記録しておきます。
店の雰囲気とオーダーの所作
22:30。町田商店の店内は夜遅めの客でほどよく混雑。
感謝祭の影響か、回転が早く、厨房は活気に溢れている。券売機の「感謝祭」画面を見て、迷いながらもボタンを押す。醤油豚骨・大盛のボタンを。
麺の硬さは「普通」、味は「濃いめ」、油は「多め」。大盛の表示が心地よい。
注文から提供までは10分足らず。厨房の湯気、寸胴の香りが立ち上り、期待感が膨らみました。
見た目の第一印象
丼が到着すると、視界を占めるのは豚チャーシュー、ほうれん草の緑、海苔、そして醤油色を帯びたスープと麺。
表面には脂の膜が張り、照りが美しい。湯気から立ち上がるのは、豚骨のこってりとした香りに、醤油の深いコク。大盛でも丼のバランスは崩れておらず、美味しさを予感させる佇まいです。
スープの分析(香り・温度・味わい)
まずひと口。
熱さが舌を包み、豚骨の丸みと醤油の輪郭が瞬時に。味濃いめのアレンジは、醤油ダレが前面に出てきて、豚骨のコクとしっかり絡みます。
油多めは舌の上に厚みを残し、スープの温度保持にもしっかりと貢献。骨の甘さと醤油のうま味が共鳴し、後口にやや塩気と旨味の余韻が。
ポイントを整理する:
- 香り:豚骨のまろやかさ+香ばしい醤油のアロマ。やや豚脂のニュアンスが強め。
- ボディ:しっかり重め。味濃いめが功を奏して、麺との一体感が生まれる。
- 余韻:においは時間とともに円やかになり、脂の塩味が舌に残る。最後にショウガや玉ねぎが欲しくなるタイプ(この夜は実際に玉ねぎと生姜を追加して満足)。
麺の食感と相性
麺は町田商店らしい中太のストレートに近い太さ。茹で加減「普通」は、適度なコシとモチッとした噛み応えを両立している。
スープの粘度が高めなので、麺にしっかりスープが絡み、ひと口ごとに旨味の塊を運んでくれる。大盛にした分、食べ応えは満点です。
具材の仕事ぶり
- チャーシュー:噛み応えがあり、脂身と赤身のバランスが良い。スープに浸して柔らかくして食べるのが吉。
- ほうれん草:濃厚スープの中で清涼剤の役目。噛むたびにほのかな青味が口に広がり、脂っぽさをリセットしてくれる。
- 海苔:スープで湿らせて麺やライスに巻くスタイルを想起させる(今回はライスを控えたが、王道の合わせ技がよく合う)。
- ネギ等:やや控えめな存在だが、全体の食感バランスに寄与。
私の食べ方(この夜のベストプラクティス)
この日の食べ方を順を追って書き留めておきます。仕事後の疲労に染みる、個人的におすすめの手順です。
- 丼が来たらまず一口(スープ)で温度と塩気を確認。
- 麺を1/3ほどすすって、スープとの相性を確かめる。ここで「味濃いめ・油多め」が正解か確信。
- 中盤でニンニク(すりおろし)を投入してパンチをプラス。豆板醤は入れず、醤油とにんにくのラインを崩さない判断。
- 麺を食べ切ったらライス投入…の誘惑に駆られるも、夜遅く荷を考え自制。代わりに玉ねぎと生姜をスープへ追加(このひと手間が実に爽やかで、豚骨の重たさを和らげる)。
- 最後はスープをゆっくり飲み、余韻を楽しんで完食。
この流れが、この夜の満足度を最大化してくれました。
コストパフォーマンス(感謝祭での価値)
通常880円のところ、感謝祭で並500円、大盛600円。夜遅くにこの価格でこの満足感が得られるというのは、非常にコストパフォーマンスが高い。
授業後に来た私にとっては、「600円で腹と心を満たしてくれる一杯」として大いに価値がありました。
教育関連者としての夜の外食、あるいは地方出張先での1食として記録に落としやすい金額帯でした。
総評(味のターゲットと推奨シーン)
町田商店のこの醤油豚骨は、こってり好き・塩気と旨味の濃い一杯を求める人にジャストフィット。
濃いめ/油多めは夜の空腹時にこそ真価を発揮。麺・スープ・具材のバランスも良く、食べ終わったあとの満腹感と満足度は高いです。
推奨シーン:
- 仕事終わりのエネルギー補充。
- イベント後の〆ラーメン(ただし翌朝の胃の重さに注意)。
- コストを抑えつつ「ガッツリ食べたい」時。
小さな気付き(改善点・好みの分かれ目)
- 味濃いめ+油多めは好みが分かれるため、初見の人には「まずは普通で」と薦めたい。
- ライスを合わせると完璧だが、夜遅いときは控える判断も賢明。代わりに玉ねぎ・生姜で味変するのがおすすめ。
- 豚脂の香りが苦手な方は油少なめを選ぶと、醤油のキレが引き立つ。
最後に(個人的メモ)
この夜の600円は、単なるエネルギー補給ではなく「授業後の小さなご褒美」となりました。
店の活気、感謝祭の賑わい、濃厚なスープの余韻─そうした要素が重なって、小さな幸福感を得られる一杯だったのです。
次回は別メニュー(塩豚骨)も試し、ライスを合わせて「王道の海苔巻き雑炊」まで行ってみたいと考えています。