【秦野ちょい呑みフェスティバル】“はしご酒”の歴史と、いまの回し方

【秦野ちょい呑みフェスティバル】“はしご酒”の歴史と、いまの回し方

はじめに

「ちょい呑みフェスティバル」は、短時間で街の飲食店を“ちょい”と回って楽しむ―いわゆる『はしご酒』イベントの代表的なフォーマット。

秦野の街でも、この催しは地元の飲食店と人々をつなぐ秋の風物詩になりつつあり、2025年の今回で第7回を迎えました。

本稿では、その由来と歩み、そして参加の仕組み(チケットや当日の回り方、最近の変更点)を、現地情報と公式案内を照らし合わせながら丁寧に伝えます。

1) 発祥と歩み ― 地元有志から始まった「はしご酒」イベント

秦野の「ちょい呑み」企画は、地元の若手有志や商工関係が中心となって始まった地域イベントです。

初回の開催は2015年で、当初から参加店舗数は20店台〜30店台で推移し、事前チケットを買って参加店をはしごする方式が採られてきました。

初回は想定を上回る参加(完売)の話題も伝わり、その後も地域の秋の風物として継続的に開催されてきました。

以降も定期的に回を重ね、2018年には第4回、2024年に第6回といった開催履歴があり、今回で第7回という位置づけになっています。回を重ねるごとに参加店舗の顔ぶれや特典、チケット販売方法が洗練され、地域に定着してきました。

2) いまの「ちょい呑み」システム(基本ルール)

基本的な楽しみ方はシンプルです。参加希望者はちょい呑み券(チケット)を事前に購入し、当日は参加店の中から好きな店舗を選んで、チケットと引き換えに“ちょい呑みメニュー(ドリンク+小皿)”を受け取ります。

1店舗につきチケット1枚を使うのが基本で、3枚綴りのチケット(=3軒分)=3,000円という構成が現在の標準。

当日18時以降に現れる特設ブースで当日券を買えますが、前売り完売の際は現場販売が注力されることもあるかもしれません。

  • チケットは「3枚綴り」「3000円」。
  • 参加店は毎回25〜30店前後(今回も約27〜30店舗規模)。

補足)同じ店でチケットを複数枚使ってよい、という柔軟ルールを採る回もあり、はしごの自由度は比較的高いです。公式パンフレットやInstagramで毎回の参加店リストが公開されているので、事前チェックが便利です。

3) 第7回(2025年版)での変更点―OMOTANコインの導入など

最新の第7回(2025年10月28〜29日)では、電子地域通貨「OMOTANコイン」のみを支払い方法とする試みが導入されています。

OMOTANは地元のキャッシュレス・地域消費活性化策とも連動するもので、従来の紙チケットではなく、デジタル通貨での参加となった点が大きなトピックです。

OMOTANコイン導入は、地域内の消費を効率的に回すための新たな試みとして注目されています。

また、チケットの取り扱いについては「使い切れなかった分の扱い」など参加者保護の仕組みも整えられており、今回の回でも使い切れなかったチケットは11月5日まで、800円分の金券として参加店舗で使えるといった救済措置が設けられています。

4) 参加までのステップ(買い方〜当日まで)

実際に参加する手順は次の通り。初めての方でも戸惑わないように、ポイントを挙げます。

  1. 前売りチケットを購入する(OMOTANでのみ販売)。当日券は駅前の特設ブースなどでの販売が18時から。
  2. パンフレット(または公式SNS)で参加店舗と提供メニューをチェックする。店舗ごとに「ちょい呑みメニュー(例:ドリンク1杯+小皿)」が決まっています。
  3. 当日は好きな店へ行き、チケットを使用して提供メニューを受け取る。同じ店で複数枚使える場合もあるので、使い方は臨機応変に。

5) 参加店側の負担とメリット(商店街の視点)

なぜ商店主が毎年参加するのか。これにはいくつかの理由があります。

  • 新規顧客の掘り起こし:普段来ない層が店に入り、後日リピーターになってくれるケースが多い。
  • SNS拡散の効果:イベント当日はインスタやXで写真が大量に流れ、店舗の露出が一気に上がる。
  • 地域経済の循環:ちょい呑み券という事前購入の仕組みは「当日消費」を喚起し、店の売上の底上げに寄与する。

一方で、店舗側には「短時間で回転させるオペレーション」と「通常メニューと異なる特別メニューの開発」という手間もかかります。

しかし多くの店が参加する背景には“地域で一緒に盛り上げる”という共通のモチベーションがあり、回を重ねて運用のコツも蓄積されています。

6) イベント当日の「はしご」戦略(実践的アドバイス)

はしご酒を最大限楽しむための実用的なプランをいくつか。

  • ルートを事前に決める:パンフの参加店マップを見て、駅からの導線に沿って3軒を設定すると移動がスムーズ。
  • 時間配分を意識する:1軒あたりの滞在を30〜60分にすると、一定の時間が確保できます。
  • ドリンクの偏りを避ける:アルコール濃度が高いもの→軽いもの、という順で回ると酔い方が安定します。
  • 未成年・車の同伴は不可:飲酒イベントなので法律・安全面の遵守を。ベビーカーや小さなお子様の同伴は店舗によって受け入れ可否があるため店舗に確認を。
  • 後日利用や残券のルールを要確認:使い切れない場合の想定(11月5日まで、800円分の金券として参加店舗で使用)をしておくと安心です。

7) 第7回に参加する読者に向けたチェックリスト(当日用)

  • 前売りチケット(3枚つづり、3000円)を購入済みか。
  • 公式Instagramやパンフで参加店舗リストをチェック済みか(営業時間や提供メニューを確認)。
  • 追加での支払い手段(現金+OMOTANコイン可)を準備。OMOTANコイン導入でキャッシュレス参加が可能になっています。
  • 帰りの交通手段(終電・代行等)を確認。飲酒イベントなので無理のない計画を。
  • 同行者の飲酒耐性に合わせてルートを調整(ゆっくり派向けの店を織り交ぜるのがおすすめ)。

8) おわりに — 「第7回」は地域の息づかいを映す鏡

第7回を迎えた秦野ちょい呑みフェスティバルは、単なる“飲み歩きイベント”ではなく、地域の商店と人々の交流を促す場として機能しています。

小さな街の“はしご酒”は、地元の店と顔の見える関係を結び直す機会でもあり、来場者は新しい店との出会い、店主は新しい客層との遭遇を得られます。

今回のOMOTANコイン導入は、イベントが地域の次の段階へ進もうとしている証でもあります。

今回の開催(2025年10月28〜29日)は、秦野の秋を一層にぎやかにし、地域産業と飲食文化の両方を支える小さな祝祭となったはず。

次回に参加する際は、この記事を読み返して、余裕をもって「ちょい呑み」を楽しんでください。

参考・出典(本稿で改めて参照した主要情報)

  1. 第7回「秦野ちょい呑みフェスティバル」告知(開催日・OMOTANコイン導入の説明)。hadano-isehara.goguynet.jp+1
  2. 初回開催レポート/TownNews(2015年の初回開催の様子)。タウンニュース
  3. 秦野商工会議所・プレス(第6回/第7回の開催案内や参加店数・チケット仕様)。日本商工会議所
  4. 公式Instagram(参加店舗の案内・当日の告知)。Instagram+1
  5. 公式パンフレット/地域観光案内(参加方法・チケットルールの例)。

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