9月16日。
鳥羽滞在中、地元の酒屋さん、酒のみせ・もりした(森下酒店)に立ち寄りました。そこで手に入れた日本酒を紹介します。
4合(720ml)サイズの「裏・半蔵純米大吟醸神の穂」です。
ラベルの透け方、夕陽を透過したボトルのつや—写真を見るだけでもあの一杯の記憶が蘇ります。
率直に言えば、ものすごく美味しかった。
以下、蔵の背景から商品スペック、飲み方、保存・購入の実務メモまで、できるだけ丁寧にまとめます。今回の記述は、蔵元の公式情報や販売店のページ、専門サイトの情報も参考にしています。
そもそも「半蔵」とは/蔵元について(背景メモ)
「半蔵」は三重県伊賀に蔵を構える大田酒造(株式会社大田酒造)の代表的ブランドです。
蔵は地元産の酒造好適米や三重県系の酵母を活かした酒造りに力を入れており、近年は「地元の米 × 地域酵母」で特徴のある香味を出すシリーズが評価を得ています。
今回の「神の穂」は、その名のとおり三重で育まれた酒造好適米『神の穂』を100%使用して醸された純米大吟醸で、蔵元もこの米と酵母の組み合わせに手応えを感じていることが公式に説明されています。
「裏・半蔵 純米大吟醸 神の穂」 — 商品のスペックと位置づけ
今回購入したのは「裏」シリーズに位置づけられる純米大吟醸(中取り)/精米歩合50%/アルコール度数約15%前後、720ml(=4合)サイズのバージョンです。蔵の限定シリーズや「仕込み番号」を付けたロットが存在し、限定本数で出ることもあるため、店頭で見かけたらその場で押さえるのが良い、という性格の銘柄です。
ラベルや公式説明では「華やかな吟醸香、透明感のある甘みと程よい酸味」をうたっており、飲み方として冷やしてワイングラスで楽しむのを推奨している記載があります。
購入先:酒乃店 もりした(森下酒店)について
今回の入手は鳥羽市内の酒乃店 もりした(森下酒店)での買い物でした。
もりしたは三重県内で地酒のラインナップが豊富な専門店で、地域の特約店として而今や作などの取り扱いもある評判の酒屋さんです。鳥羽・伊勢方面で地酒を探すなら頼りになる存在で、今回も店頭で「裏・半蔵」の720mlを見つけることができました。
店頭での対面販売ゆえに、限定ロットや小瓶(300ml)など偶発的に入手できるケースがあるのも地元酒販店を利用する面白さです。来店時は在庫確認のために電話しておくとより確実です。
香りと味わい — 実飲のテイスティングメモ(詳細)
ここは主観の色が強くなりますが、なるべく具体的に記します。参考にした専門家の評価でも「華やかでフルーティー、粘性がありとろっとした口当たり」などの記載があり、私たちの実飲感とよく一致しました。
- 香り(アロマ):冷やしたグラスに注ぐと、最初に立ち上がるのは白い果実(梨、白桃)やりんごのようなやわらかな吟醸香。花を思わせる爽やかなニュアンスも感じられます。
- 口当たり:ふくよかで滑らか。やや粘性を感じる舌触りがあり、液体が口内にやさしくまとわりつくような感覚。
- 味わいの展開:入口で穏やかな甘みを感じ、中盤にほどよい酸が引き締め、後半はすっと消えていくクリーンな後味。甘さだけに寄らず、酸と旨味のバランスが良く、刺身や貝類の旨味と仲良く調和しました。
- 余韻:華やかな余韻が残るが、しつこくないため次の一口に繋げやすい。
総じて「しっかりとした純米大吟醸らしい存在感がありながら、食中酒としても使いやすい」タイプ。私的には刺身(特に白身・貝類)、蒸し牡蠣、淡白な魚の焼き物とも相性が抜群に感じられました。
飲み方・温度帯、器のすすめ(実用アドバイス)
蔵や販売ページでも勧められているとおり、冷やして(10〜15℃)ワイングラスで香りを立てるのが一つの正解です。フルーティーな香りを最大限に引き出すには、少し広がりのある白ワイングラスが向きます。
常温でも旨味が膨らみますし、ぬる燗にするとまた違った落ち着いた表情も出ますが、この「神の穂」の良さをフルに味わうならまずは涼冷え〜冷や(10〜15℃)での嗜みがおすすめです。
ペアリング案:刺身(特に白身・貝)、カニ・海老類、優しいクリーム系(蔵の推奨例としてカニクリームコロッケなどの相性記載あり)や軽めの洋食とも予想以上に合います。海辺での宿宴に持ち込むなら、刺身と交互に楽しむと酒の輪郭がよく分かります。
保管・取り扱いの注意点(実務メモ)
- 生詰/生原酒かどうか:商品によっては「生原酒」表記があり要冷蔵のものがあります(蔵の一部表記に基づく)。今回の「裏」シリーズは「中取り」などの処理表記があるロットもあるため、ラベルの表記(要冷蔵・生原酒など)を確認してください。要冷蔵表示がある場合は必ず冷蔵保管を。
- 開栓後:開栓後は冷蔵庫で保管し、できれば数日以内に飲み切るのが風味を維持するコツです。
- 輸送時:瓶は割れ物ですので、車載時は倒れないよう段ボールで固定すると安心。今回のように宿に持ち込む場合は、フロントで紙袋や箱をお願いすると安心です。
入手のコツと価格感(購入メモ)
- サイズ展開:720ml(4合)、1800ml(一升)のほか、小瓶(300ml)を出すロットもあるようです。もりした等、地元酒販店は小瓶を用意している場合があるので「試しやすい」点がありがたいです。
- 価格帯(目安):蔵や特約店の表記例では、720mlで1,760円前後〜、1.8Lが3,520円前後(ロットや限定品で上下あり)という情報が見つかります。限定ロットや生原酒仕様だと価格が変わる点に注意。今回私たちは1,925円で購入しました。
- 買い方:限定品や「裏」シリーズは店頭在庫が流動的なため、見つけたら即買い、見つからなければ酒販店に電話で在庫照会や取り置きをお願いすると良いです。森下酒店はオンラインでも情報発信しており(店舗ページ・ECの掲載あり)、旅行先での購入には便利な存在です。
今回の旅での一杯 — 総括(旅の記憶として)
鳥羽の夕陽を背に、窓際でそっとグラスに注いだこの「裏・半蔵神の穂」は、旅先での“ひとつの完成形”だったと感じています。
また、新鮮な海の幸が並ぶ夕食と交互に味わうことで、酒の甘みや酸がより生き生きと感じられ、何度も「次の一口」を促す魅力がありました。
酒屋で見つけた偶然の出会い—地元店での対面販売ならではの発見を、ぜひ次の旅でも続けたいと思います。