ビストロとシャンパン、そして上質と気軽さの両立
東京・京橋駅直結の「東京スクエアガーデン」1階に位置するフレンチビストロ、レ ロジェ ビストロ ド ロア(LES ROSIERS BISTROT DE L’OIE)。
パリの街角を思わせる赤い外観と、カジュアルながらも洗練された空間が印象的なこのお店は、京橋というオフィス街でも人気の一角として知られています。
この店はもともと、フランスの名シェフ アンドレ・ロジェ女史 が監修しており、正統派のビストロ料理を日本の都市空間に届けることを目的に作られたレストラン。
ロジェ女史はフランス国家最優秀職人章 M.O.F をわずか27歳で受賞した実力者であり、その経験と信念が店の根底に流れています。
今回振り返るのは、娘が生まれる前の、コロナ禍前の特別な体験。
この日は、シャンパンを自由に楽しめるという極めて魅力的なイベント、シャンパンフリーフロー付きのフルコースが提供されていました。
制限時間はなんと3時間。この贅沢な時間と料理の数々を、改めてご紹介します。
約¥12,000で“飲む・食べる・語る”フレンチの幸福
私たちが利用した当時の価格は、一人約6,000円、二人で約12,000円。
この料金でシャンパン飲み放題、そしてしっかりしたコース料理が付くという構成は、コストパフォーマンスの高さでも驚きでした。
制限時間は3時間。この時間内であれば、メニューからシャンパンを含む好きなドリンクを好きなだけ選び、どれだけ飲んでも値段は変わらないという、まさに夢のような企画でした。
普通にワインをグラスで頼むだけでも1杯1,000円を軽く超えることの多いフレンチの世界で、飲み放題 × 本格料理 × ゆったりした時間というのは、都市のフレンチではなかなか出会えない体験だったと言えます。
前菜:色彩と食感の出会い
コースはまず 前菜の盛り合わせ からスタートしました。
色とりどりの素材が皿に並び、味だけでなく視覚からも食欲を刺激してくれます。
この日は風味豊かなテリーヌや、鴨肉に生ハム、そして繊細なソースがかけられたサーモンなど、ビストロならではの遊び心とクラシックが同居する一皿が前菜として出されました。
このタイミングで最初の1杯目のシャンパンを開けると、泡の爽やかさが素材の個性をきれいに包み込み、口の中での余韻が食事への期待感を高めてくれました。
中盤:スープと半熟卵、ピクルスの優しい立ち位置
前菜のあとに供されたのは、ピクルスと半熟卵。
ピクルスの酸味は、初めてのシャンパンを飲むときの “アクセント” としても機能し、半熟卵の豊かな黄身は泡との相性も抜群でした。
そしてコンソメスープ。
コンソメは濃厚すぎず、しかし旨味の芯がしっかりと響く上品な仕上がり。舌を和らげながら、次の料理へと気持ちを切り替える役割を果たしていました。
メインディッシュ:魚と肉の対照的な魅力
この日のメインは、私が 魚料理(ロースト)。
魚のローストは、その皮目の香ばしさと身のふっくら感が絶妙で、まろやかなソースとのバランスが実に上品でした。
妻は 肉料理(ローストビーフ) を選択しました。
ローストビーフは、柔らかくジューシーな肉質にソースの存在感が寄り添い、赤身と泡のアクセントが幸福なハーモニーを描いていました。
ここまでで既に数杯のシャンパンを楽しんでいましたが、料理の構成がすべて泡を想定したような流れになっていることに気付くほど、シャンパンとの相性は抜群でした。
デザートとコーヒー、そして余韻の最後の一杯
最後は デザートとコーヒー。
甘味とコーヒーの苦味の組み合わせは、これまでの食事と飲み物の流れを静かに締めくくる瞬間です。
そして、時間終了間際にもう一杯ずつシャンパンをいただき、ゆったりと余韻を楽しみながら過ごしました。
この時間の使い方は、ただ食べて飲むだけではなく、「時間ごとに変わる料理の表情」と「フリーフローの自由さ」を同時に味わえる贅沢なひとときでした。
レ ロジェ ビストロ ド ロアとは?
「レ ロジェ ビストロ ド ロア」という名前は、フランス語で「山ばらのビストロ」を意味するLES ROSIERS BISTROT DE L’OIE に由来しています。
京橋駅直結という立地もあり、ビジネス街のランチやディナー、女子会・記念日利用にも人気があります。
この店は、フレンチの伝統を大切にしつつ ビストロらしい気軽さ も同時に提供するスタイルが特徴です。
ランチでも数千円台でコースが楽しめ、ディナーではより充実したメニュー構成があり、季節ごとやイベントごとにシェフのこだわりが強く感じられます。
特に名物として挙げられるのは、フォアグラ料理を使ったメニューで、フレッシュなフォアグラのコンフィやテリーヌなど、贅沢な素材を活かした一皿が人気です。
店全体としてはカジュアルすぎず、しかし肩肘張らないフレンチを日本で楽しみたい人に最適なビストロです。
まとめ:フレンチ×シャンパンが紡ぐ幸福
この日の体験は、単なる“飲み放題 × コース料理”ではありませんでした。
それは、時間という器と、空間という舞台を贅沢に満たすフレンチとしての体験です。
娘が生まれる前の、まだ自由に外食を楽しんでいた頃の思い出として、この“シャンパンフリーフロー × 場所” はいつまでも鮮やかに記憶に残っています。
次に訪れるとしたら、今回は飲み放題になかったワインや季節のアラカルトをじっくり楽しみたい─そう思える、奥行きのある一軒でした。