【銀座・三笠会館BAR5517(閉店)】かつての名店 ― シャンパンを傾けた夜の記憶

はじめに

娘が生まれる前のこと。まだ「コロナ禍」という言葉が日常の前に立ちはだかる前の頃。

私たちは、バーやラウンジで開催されていた フリーフロー(飲み放題)イベント に、よく足を運んでいました。

その中でも、銀座・並木通りの老舗 三笠会館本店 地下1階 にあったバー。

BAR 5517(バー ゴーゴーイチナナ)は記憶の中でもとりわけ鮮やかな存在です。

※BAR 5517 は長い歴史を経て、2025年4月30日をもって 閉店となりました(三笠会館公式発表)。

銀座三笠会館と BAR 5517 の背景

三笠会館は 1925年創業の老舗レストラングループ

銀座・並木通りにそびえる本店は、フレンチ、中華、和食、イタリアンなどさまざまな飲食を展開し、戦後日本の外食文化を支えてきました。

そしてその 地下に佇むバーとして1987年に誕生したのが BAR 5517

店名は三笠会館の住所「5-5-17」に由来し、銀座の夜を楽しむための“隠れ家的上質バー”として愛されてきました。

このバーは、歴代のチーフバーテンダーが腕を振るい、オリジナルカクテルや多彩なドリンクを提供する カクテル文化の拠点 でもありました。

口コミでも「銀座の老舗感と落ち着いた雰囲気」「地下の静かな空間でゆっくり飲める」などの声が多数寄せられていました。

フリーフローの楽しみ方(思い出)

この時のBAR 5517でのフリーフローは、決して派手さや豪華さを売りにしたものではありませんでした。

しかし、選べるドリンクの幅の広さと、2時間という時間の密度が、日常を忘れさせてくれる十分な内容だったのです。

注文したドリンク

  • シャンパン(1種)
    ポール・ダンジャン キュヴェ J.B
  • STANDARD COCKTAIL
    ジントニック、ゴットファーザー
  • ORIGINAL COCKTAIL
    5517、三笠の月
  • FRUITS COCKTAIL
    富有柿のマティーニ、柚子のカイピリーニャ、洋梨のシャンパンカクテル

シャンパンはもちろん、このバーの 名を冠したオリジナルカクテルも楽しめたというのが、何より記憶に残っています。

シャンパン — ポール・ダンジャン キュヴェ J.B

BAR 5517 のフリーフローで選べた シャンパンは1種類のみ

それが「ポール・ダンジャン キュヴェ J.B」。

ポール・ダンジャンはフランスの歴史あるシャンパンメゾンで、キュヴェ J.B はその中でもフラッグシップ的役割を果たすシャンパンのひとつです。

香りや泡立ちの繊細さ、果実味とキレのある後味は、BAR 5517 の静かな空間にとてもよく合っていました。

このシャンパンを私と妻でそれぞれ4杯ずつ飲んだという記憶があるのも、「その場の空気が心地よかったこと」の証拠です。

注文したカクテルの種類

BAR 5517 の魅力は、シャンパンだけではありませんでした。

STANDARD COCKTAIL

ジントニック

すっきりとしたドライ感が、重厚で落ち着いた空間とよく合いました。

ゴットファーザー

スコッチとアマレットの甘く深い余韻。BAR 5517 のクラシックな雰囲気を感じさせる一杯です。

ORIGINAL COCKTAIL

5517(バー名を冠した一杯)

記念すべきオリジナルカクテル。BAR 5517 を象徴する存在でした。

三笠の月

バーの空間に寄り添うような、優雅で柔らかい味わい。

FRUITS COCKTAIL

富有柿のマティーニ

柚子のカイピリーニャ

洋梨のシャンパンカクテル

と、季節感や果実の個性を活かした創作系。

どれもバーらしい 遊びと技術が詰まった一杯 でした。

アミューズ — つまみとしての妙

さらに嬉しかったのが、簡単なアミューズ付きであったこと。

オリーブ・チーズ・バケット

ピンチョス

といった酒の友が用意されており、飲みながら軽くつまむには十分な内容でした。

高級感だけでなく、飲みのペースとバランスを考えた用意がされていたのも、BAR 5517 ならではです。

2時間という贅沢

90分〜という時間制限があるフリーフローは多い中で、しっかりと自分自身のペースで楽しめる2時間制は、慌ただしくない大人の時間を過ごすにはちょうどよいものでした。

飲み過ぎることなく、美味しいドリンクを選び、軽い会話と季節の味を楽しむ。

この時間の過ごし方が、「ホテルバーや銀座の名店の価値」でもありました。

BAR 5517 の空間と文化

ネット上の情報からも分かるように、BAR 5517 は 銀座におけるクラシカルなバー文化を象徴する存在でした。

口コミでも「落ち着いた大人の雰囲気」「歴史ある三笠会館のバー」という声が多く、重厚な空間とカウンターが、訪れる人の心を落ち着かせていました。

また元バーテンダーによると、稲田春夫氏のもとで修業した歴代バーテンダーが基本を大切にしつつ、それぞれの個性やスタイルを提供していた場所でもあったそうです。

この空気は、ただ飲むだけのバーではなく、「銀座のバー文化そのものを体現する場所」 でした。

閉店とその余波

残念ながら、BAR 5517 は 2025年4月30日をもって閉店しました

長年にわたり銀座の夜を支え、多くの常連に愛されたバーの灯が消えることは、多くのバー愛好家にとって寂しい出来事でした。

とはいえ、三笠会館は1階の「ラ ヴィオラ」や、数寄屋橋近くの「ビステッケリア イントルノ」などでバー文化を継承しようという動きもされています。

まとめ

5517 — 銀座の記憶として

銀座三笠会館・BAR 5517 は、決して派手ではなく、しかし 深く静かに心に残るバーでした

  • 銀座という場所
  • 老舗三笠会館という歴史
  • バー文化の核にある丁寧な仕事
  • シャンパンとカクテルの豊かなラインナップ
  • 落ち着いた空間で過ごす2時間

これらが織りなす時間は、今ではもう戻らない「銀座の夜」のひとつの象徴でもあったと思います。

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