はじめに
本日は過去の話を少し。娘が生まれる前のこと。
2023年4月30日。この日は、平日でも土日でもない、数少ない祝日のひとつ。
本厚木南口一番街にあるビーフキッチンスタンド(Beef Kitchen Stand)。
ここで、まさに夢のようなイベントが行われていました。
その内容は、
土・日・祝日の昼12時〜16時の間、ハイボール(デュワーズ)が何杯飲んでも無料!
という、立っているだけで勝手に幸福度が上がっていくような破格のイベントでした。
ネットやSNSでもちょっとした話題になっていたこのイベント。
「本当に無料なのか?」「どんな料理と合うのか?」という疑問を胸に、確かめるべく現地へ向かった日のレポートです。
開幕─まずはハイボールでスタート
取りあえずお店に入りました。
時計はちょうど12時。まだ昼食時間の混雑前で、余裕のある空間。
テーブル席に座って、まず注文したのはもちろんハイボール(デュワーズ)。
ここから16時まで、好きなだけハイボールをおかわりできる―という事実を前に、胸が軽く高鳴ったのを覚えています。
デュワーズのハイボールは、軽やかでクリアな飲み口。
グラスの中に弾ける泡が、これから始まる時間の“祝祭感”を演出してくれました。
「今日は良い日になる」という直感が、すでにありました。
第一章─ポテトサラダで舌を整える
まず最初に頼んだアテは、ポテトサラダ(130円)。
飲み放題無料という破格のイベントだからといって、いきなり濃いものに飛びつくのではなく、まずは“舌と胃袋の準備体操”です。
ポテトサラダは、しっとり優しい味。
じゃがいものほのかな甘みとマヨネーズのまろやかさが、炭酸の刺激を穏やかに迎えてくれました。
この一皿で、これからのペースを整えるような感覚になれます。
そしてもちろん、ハイボールをグビリ。
喉を通る爽快感─これだけで満足、と思わせる入りでした。
第二章─アヒージョ & フライドポテトで“幸せの黄金コンボ”
ハイボールのおかわりは、なくなり次第注文するという流れ。
そして次に頼んだのは、大山鶏のアヒージョ(218円)。
溢れるフライドポテト(152円)。
まずアヒージョをそのままひと皿で楽しみます。
グツグツと熱されたオイルの香りが立ち、ニンニクとハーブの香ばしさが鼻腔をくすぐります。
これがハイボールとの相性抜群。泡が口の中をリフレッシュしてくれるので、オイルのコクをどんどん進めてくれました。
そしてここから少しずつ次のステージへ。
余ったアヒージョのオイルに、フライドポテトを漬けて食べる。
この食べ方は革命的です。
ポテトの表面がオイルを吸い込み、サクサク → ジューシー → コクの三重奏。
塩味とオイルの香ばしさ、冷たいハイボールがそれをスッと流す快感―このコンボは、昼の幸福体験のひとつの完成形と言えるほどでした。
第三章─牡蠣のアヒージョで“味の階段を昇る”
大山鶏のアヒージョで一度リズムを掴んだら、次は海の幸─牡蠣のアヒージョ(218円)を追加。
牡蠣は「海のミルク」とも呼ばれるほど旨味が濃く、噛んだ瞬間にじんわりと広がる豊かなうま味が特徴です。
これをハイボールと合わせるとどうなるか。
答えは、“味の階段を一段上がる” という表現がぴったりでした。
海の深い味わいに、ウィスキーの軽やかな香りと炭酸の刺激が寄り添い、先ほどの鶏とは違う味の広がりが楽しめます。
そしてここでも、なくなりつつあるフライドポテトをオイルと絡めつつ、牡蠣のエキスが乗った部分を齧るという贅沢を挟む。
これ以上ない“ハイボールおかわりループ”が成立しました。
第四章─きのこのアヒージョ & 冷奴の予想外の相性
勢いに乗った私は、さらにきのこのアヒージョ(218円) をオーダー。
きのこは種類によって香りが異なり、その旨味がオイルに溶け出すことで、スープのような役割を果たします。
しかし驚いたのは、その後に注文した普通の冷奴(130円) との相性でした。
熱々のアヒージョオイルを残したまま、冷たい豆腐に浸して食べるという発想。
冷奴がオイルをほどよく吸い、豆腐のやさしい甘さとオイルのコクが混ざる。
これが、思いのほかハイボールと噛み合うのです。
豆腐 × オイル × ハイボールという、いわば「素材と温度と泡の三重奏」が成立し、思わず笑ってしまうような新しい味の体験になりました。
第五章─牛ハツと野菜のアヒージョで締める
そして、最後にもう一皿だけ─と頼んだのが、牛ハツと野菜のアヒージョ(218円)。
さらに冷奴も追加しました。
牛ハツは、噛みしめるほどに肉そのものの味が出る部位。
そこに野菜の甘み、そしてオイルの滑らかな香りが混ざり、これまでの鶏・牡蠣・きのことはまた違う“肉感と旨味の渋さ”を見せます。
そして最後の冷奴は、まさに口の中をスッと整えるためのクールダウン。
オイル×豆腐のコンビネーションは、“幸せな余韻を残す” 完璧な締めくくりでした。
ハイボールは本当に無料だった
何杯ハイボールを飲んだかは覚えていません。
しかし、会計を見た瞬間に衝撃が走ります。
お会計:1,414円
これは、料理代の合計額のみで、ハイボールは完全に無料!
無料だからと言って薄く提供されたり、サービスサイズだったり―ということは一切ありませんでした。
デュワーズのしっかりしたスパークリング感、揚げ物・アヒージョ・冷奴の味わいを楽しんだ時間すべて。
その全てが、「無料で」成立していたのです。
この体験は、単なる“得した”という感覚ではなく、「体験として幸福だった」と言い切れる出来事でした。
なぜこのイベントは特別だったのか
調べると、このイベントは期間限定であり、店舗限定で行われていたようです。
過去に同様の試みが何度かSNSでシェアされていたものの、私が出会ったこの日のスタイルは、まさに
昼飲み文化の理想形
と言えました。
ポイントは、
- ハイボールが何杯でも無料
- 料理が安価だけど味がきっちりしている
- 酒とつまみのバランスが良い
- 時間制限が16時までと長い
という4点です。
昼12時から飲み始め、16時までゆっくり楽しめるこの時間枠は、休日の幸福度を最大化するにはぴったり。
家で飲むのとも、夜の飲み会とも違う、“昼の開放感” を楽しめる体験でした。
あの日の帰路─幸福感に満たされて
会計を済ませた後、フワッと軽い幸福感に包まれて店を出ました。
重くない酔い、満足感、そして「今日という日を堪能した」という余韻。
電車に乗った瞬間の風景が、いつもより少し優しく見えたのを覚えています。
あの日のビーフキッチンスタンドは、ただ飲み食いしただけの場所ではありませんでした。
“日常に寄り添う幸福の装置” として、記憶に刻まれる昼のひとときだったのです。
余韻として
記憶の中で色褪せないのは、料理の味だけではありません。
泡を飲みながらひとりで過ごした時間、厨房の活気、隣で笑うお客さんの姿、そして「無料」という奇跡的な体験。
その後、このイベントは定期的に行われたようですが、出会えた人は本当にラッキーだと思います。
もしまたこのようなイベントに出会えることがあれば、私は間違いなく行きたい。
そして、もう一度あの“昼飲みの理想形”を味わいたいのです。