吐き気とムカつきに強い ― 内関 × 足三里
二日酔いの朝。目を覚ました瞬間、胃の奥からこみ上げてくるものに気づきます。
「ああ、やってしまった」
昨日の夜は楽しく、杯を重ねるたびに話も弾みました。気づけばビールにワイン、日本酒、そしてハイボール。飲み合わせが複雑になるほど、翌朝の体は正直です。頭痛よりも厄介なのが「吐き気」と「ムカつき」。何を口にしても受け付けず、ただ横になるしかないような感覚に、誰もが一度は悩まされたことがあるでしょう。
こうしたときに頼りになるのが「ツボの知恵」です。今回は、二日酔いの吐き気や胃の不快感を和らげるために古くから使われてきた2つのツボをご紹介します。
吐き気に効く「内関(ないかん)」
内関は、手首の内側にあります。場所の見つけ方は簡単。手首の横じわに、人差し指・中指・薬指の3本を当て、そのすぐ下。中央の腱の間に指を置いたところが「内関」です。
古来より「吐き気止めの万能ツボ」として知られ、乗り物酔いやつわり、さらにはストレス性の胃のムカつきにも使われてきました。現代医学的にも、内関を刺激すると自律神経の働きが整い、消化管の不快な動きを和らげるといわれています。
押し方のコツ
- 親指でじんわりと3~5秒押す
- 少し痛いくらいがちょうど良い
- 両腕の内関を交互に行うと効果的
「ムカムカして水も受け付けない」そんなとき、内関を押していると少しずつ胃が落ち着いてくるのを感じられるかもしれません。
胃を整える「足三里(あしさんり)」
足三里は、胃腸のトラブル全般に効くと言われる代表的なツボ。
場所は膝の外側。膝のお皿の下から指4本分下がった、すねの外側の筋肉にあります。
このツボは昔から「長寿のツボ」として知られ、旅人が疲れたときにここを押して歩みを続けたと伝えられています。二日酔いに限らず、胃のもたれや消化不良、食べすぎのあとにも役立つ、まさに万能のポイントです。
押し方のコツ
- 椅子に座り、手のひらでぐっと押し込む
- 円を描くようにマッサージしても良い
- 左右それぞれ2~3分ずつ行う
胃のあたりが重く、食欲がわかない朝には、このツボをゆっくり押してみましょう。内関と合わせることで、胃のムカつきが驚くほどやわらいでいきます。
内関 × 足三里の「合わせ技」
二日酔いの吐き気は「自律神経の乱れ」と「胃の機能低下」が同時に起きていることが多いと言われます。
- 内関で自律神経を整える
- 足三里で胃腸の働きを回復させる
この2つを組み合わせることで、吐き気やムカつきを根本から和らげることが期待できます。
特におすすめなのは
- 内関を3分ほど押して胃のムカつきを静める
- 少し楽になったら、足三里を5分ほどマッサージして胃腸を刺激する
という順番。朝一番にこの流れを取り入れるだけで、二日酔いの「最悪な時間」を短縮できる可能性があります。
まとめ
二日酔いで吐き気が強いとき、ただ横になって時間の経過を待つのも一つの方法ですが、ツボ押しを試すことで少しでも楽になるなら、その価値は大きいでしょう。
- 吐き気を鎮める「内関」
- 胃腸を整える「足三里」
この2つのツボは、まさに二日酔いの「心強い味方」です。
水や味噌汁を少しずつ取りながら、指先で自分の体に語りかける。そうして回復のリズムを整えていく時間は、昨日の酔いを反省しつつも、身体と向き合う大切なひとときになります。
次にお酒を楽しむときのために。
「飲んだあとにどうケアするか」
その積み重ねが、二日酔いに強い体をつくっていくのかもしれません。