はじめに
お酒は楽しく、そして時に深く。
しかしその夜の喜びの代償として、翌朝に襲ってくるのが「二日酔い」。
二日酔いと一口に言っても、その症状はさまざま。今回は私が考える代表的な6タイプに分類し、それぞれに対する具体的な対処法を整理してみました。
あなたの「二日酔いの朝」はどのタイプでしょう?
【1】まだ酔っている系(アルコール残留タイプ)
症状
・まだ気持ちよく酔っている感じ
・体が軽くフワフワした感覚
・顔が赤い、体温が高い
・若干のテンションの高さも
原因
肝臓がアルコールを処理しきれず、血中に残っている状態。アルコールが「酔い」の形でまだ作用しており、二日酔いとは少し違う感覚。
対策
- 水分摂取:まずはコップ2〜3杯の水。脱水の改善は最優先。
- 肝臓の負担軽減:タウリン(しじみ、あさり)、オルニチン(しじみ)、ビタミンB群(栄養ドリンク)などを摂取。
- カフェインは控えめに:頭が重くても、コーヒーで誤魔化すと血管収縮で気分が悪くなることも。
- 食事は控えめに:無理に脂っこいものは避け、味噌汁や雑炊程度に。
【2】頭ガンガン系(アセトアルデヒド蓄積タイプ)
症状
・ズキズキするような頭痛
・光や音に敏感
・集中できない
原因
アルコールが代謝される過程で生じる「アセトアルデヒド」が体内に蓄積し、血管を拡張することで頭痛を引き起こす。
対策
- イブプロフェン等の鎮痛剤(空腹時は避ける)
- 水+電解質補給:経口補水液やポカリスエットなど。
- 軽い糖分:果物や蜂蜜がアルコール代謝をサポート。
- 冷やす:タオルでこめかみや首元を冷やすと血管の拡張が抑えられます。
【3】吐き気・胃もたれ系(胃腸障害タイプ)
症状
・ムカムカ、食欲ゼロ
・胃が痛む、気持ち悪い
・嘔吐や下痢も
原因
アルコールによる胃粘膜の刺激と、胃酸分泌の異常。また強い酒を空腹で飲んだ場合もこのタイプになりやすい。
対策
- 水分は常温で少しずつ:冷たい水は刺激になるので注意。
- 胃薬(制酸剤・粘膜保護)の使用も考慮。
- 白粥や豆腐など優しい食事:無理せず食べられるときに。
- 絶対に無理しない:このタイプは、安静が最良の薬です。
【4】全身だるだる系(脱水&低血糖タイプ)
症状
・とにかく倦怠感
・立ちくらみ、ふらつき
・筋肉が重い感じ
原因
アルコールによる脱水、加えて糖分の枯渇(低血糖)状態。寝ている間に汗や尿で多くの水分が失われている。
対策
- 水+塩分+糖分:味噌汁+ご飯、梅干し、バナナなどが有効。
- スポーツドリンクを活用
- 深呼吸とストレッチ:血流を促して回復を早める。
- 無理に活動しない:午後から始動、くらいでちょうど良い。
【5】メンタルぐったり系(情緒不安定タイプ)
症状
・後悔、不安、虚無感
・やたらと感傷的になる
・自己嫌悪や「酒やめよう…」という感情
原因
アルコールによる神経伝達物質の乱れと、睡眠の質の低下。「飲酒鬱」とも言われ、心理的な揺らぎが起きやすくなる。
対策
- 朝散歩:自然光を浴びることでセロトニンが活性化。
- 温かいスープとゆっくりした時間:読書、クラシック音楽もおすすめ。
- SNSは控えめに:余計な情報は精神を消耗させます。
- もし可能なら昼寝を:脳をリセットする時間を設ける。
【6】何も覚えてない系(ブラックアウト型)
症状
・昨夜の記憶が断片的、もしくはまるごとない
・LINEや写真を見て青ざめる
・「自分、何やってた…?」の恐怖
原因
短期記憶の形成が一時的に阻害されるため。一度こうなると、脳がその時の出来事を記憶していない。
対策
- まずは落ち着くこと:多くの人が通る道です。
- LINEや履歴を確認し、無難に謝るべき相手がいれば早めに対応。
- 体調は意外と良いことも多いが、水分と塩分はきちんと摂取。
- 反省ノートをつけるのも一興:今後の自制に役立ちます。
おわりに
どんな二日酔いも、体と心の「警告」です。
飲む量、飲み方、そして何より翌日の自分に対する思いやりが、健やかな飲酒習慣を育ててくれます。
次にお酒を手に取るとき、少しだけこの6タイプを思い出してみてください。
できれば「二日酔いゼロ」の朝を。
そして、どうしてもなってしまったなら、自分に最もやさしい方法で、立て直していきましょう。