サーバーの“自動バックアップ”を信じてみる
前回、WordPressのメディアライブラリを整理していたつもりが、気づけば500枚近い画像を「実ファイルごと」完全に削除していたという話を書きました。
冷や汗と後悔の中で思い出したのが、サーバー側の自動バックアップです。
利用しているのはエックスサーバー。確か、過去7日間のWebやメールなどのバックアップを自動で取ってくれているはず…
これはもう、ここに頼るしかありません。
自動バックアップの申請は意外と簡単だった
サーバーパネルに入り「バックアップ → 自動バックアップ」のページを開きます。
そこで「6月25日」のバックアップを選び、「バックアップデータ取得」を申請。この時点では画像を消したのが6月26日なので、1日前の状態です。
取得範囲はよく分からなかったので、「すべてを取得」で申し込みました。
処理中という表示が出て、あとは待つのみ…と思いきや、ここからが長かった。
「完了しました」なのに、ファイルが見つからない
およそ30分後、バックアップの状態が「正常終了」に変わりました。「よし、これでファイルが手に入る」と思って、保存先となるuserbackup
フォルダを開きます。
…が、そこには何もない。
あるのは、6月14日の日付がついた、関係のない別フォルダだけ。
「え…?さっき完了したって書いてあったよな…?」
何度見ても、目的のファイルは見つかりません。
ファイルが出ない理由は、仕様とタイミングの罠だった
少し調べてみると、エックスサーバーの自動バックアップ申請には仕様上の“パターン”があるようです。ネット上に出ていた情報としては、以下のとおりでした。
- 「すべてを取得」を選ぶ→ 各領域(Web / DB / メール)が分割されて展開されるが、ファイル化されないことがある
- 「Web領域のみ」「DBのみ」など範囲を絞って申請→ 対象が明確なため、自動でファイルが生成されやすい
ところが、今回ファイルが出なかった本当の原因は、実は別にありました。
私が「すべてを取得」で申請したあと、直後に「Web領域のみ」で再申請をしてしまったのです。
保存先は同じuserbackup
のままでした。どうやら、後から申請した処理が上書きのような形になり、前のバックアップデータが削除されてしまったようです。
つまり、最初に取得したはずのファイルが、見に行ったときにはすでに無かった、というわけです。
今にして思えば、最初の申請は慎重にすべきだった
結果として、「すべてを取得」でファイルが出なかった時点で保存先を一度確認し、その中身を退避させておくべきだったのかもしれません。
エックスサーバーのバックアップ処理は基本的に親切で、柔軟ではあるのですが、複数の申請を重ねると、保存先の状態に予期せぬ変化が起こる場合があります。
特に「同じ保存先に上書きしてしまう」リスクには注意が必要だと、今回身をもって学びました